またまた娘との放課後デートで見てきた。実は、リアルでちょっと怖そうだったのでしばらく娘が拒否していたのだけど、電車ジャック広告を見てコロリと意見を変えたようだった。やっぱり電車ジャック広告、けっこういいよ!(何)
映像がリアルすぎて、直前のCMで流れていた「ダーウィンが来た」みたいな映画に見えるのが面白い。「ダーウィンが来た」のハエがいないバージョンという感じ。私は気づかなかったけど、性器も消されているらしい。
それだけに、感動的な音楽とともに「王者たるライオン一家にこうべを垂れるサバンナの動物たち」という有名なシーンになると、違和感がすごかった。食物連鎖の頂点だからってライオンが偉いわけじゃないし…何でも食べるからってブチハイエナが下劣なわけでもないし…。これは乗れないやつかもなーと思いながら見ていたけれど、「王様になるのが待ちきれない」のあたりではすっかり違和感も忘れ、作品に没頭していた。リアルではあるが、やっぱりフィクションだというのは分かったし、アニメ版と忠実に再現しているシーン・構図がたくさんあって、そちらの映像も思い浮かべながら…とやっていると、これはこれでアリかもなと思ったのだった。リアルシーンがいい味を出していたのは、例えばミーアキャットが子ライオンの牙を確認してびっくり跳ね上がるシーン。普通の動物の動きにも見えるし、コミカルな恣意的な動きにも見える、実に絶妙なさじ加減だったと思う。顔の表情がほとんどない代わりに、体を使った表現と、音楽が感情を伝えてくれる。
もう一つ良かったのは、子供にとって怖いシーンが全くなかったこと。リアルに徹したせいでおどろおどろしいシーンがないため、アニメなんかより見やすかったみたいだ。娘は音楽も好きなので、見終わると延々“Can you feel the live tonight”などを歌っていた。
鑑賞後、子供には「ライオンが偉いわけじゃなく、単にお話上そうなっているのだ」という説明をしておいた。子供向けコンテンツでも「ウサギはかわいい女の子、キツネはズルい男の子」みたいな先入観による決めつけはよくあること。それが実態とは違うことをいつも言っておきたい。