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ハンガー(2008年、イギリス)

映画の感想文

HUNGER ハンガー 静かなる抵抗 [レンタル落ち]

壁に糞を塗り、廊下に尿を流す…ストライキが通じなかった最後の手段とは

北アイルランド紛争に端を発した、政治犯によるハンガー・ストライキを描いた話です。この映画の舞台は、1980年前後、IRAによるイギリスへの武力行使が最も激化していた頃です。政治犯として刑務所に収容されていたプロテスタント系の北アイルランド人たちは、「自分の服を着る権利」「労務を行わない権利」「抗議活動を通じて失われた刑期短縮の回復」などを要求して様々な抗議活動を行っていました。

ところが要求は飲まれず、政治犯の一人であるボビー・サンズはもう一度ストライキを行うことを表明しました。それが、タイトルにもなっている「ハンガー(=絶食)・ストライキ」。ボビーがハンストを行っているシーンは実に20分程度なのですが、強烈な印象を残すシーンでした。実際にガリガリに痩せ細っています。

 

ミニマルな映像だが情熱的

感情をあおるような音楽や演出はほとんどありませんが、人権を取り戻そうとする人間の極限状況を描いた眼が覚めるような映画でした。無駄をそぎ落とした映像で、セリフがほとんどありません。唯一、後半に固定カメラの長回しによる長尺のセリフの応酬があります。これも痺れるほど効果的でしたね…。言葉だけで「人権を勝ち取る決死の闘い」を表現している、重要なシーンです。

 

見ていて楽しくなるような映画では全くないのですが、感動しました。