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ゲット・アウト(2017年、アメリカ)

ゲット・アウト(字幕版)

白人の恋人の実家に、初めて遊びに行くことになった黒人青年。家族に恋人が黒人であると言っていないことが分かり、緊張するが、恋人の両親は異常に黒人ウエルカムな雰囲気で…。という話。

 

コメディかと思ったらホラーで、最後は社会派に。見る側のスタンスによっても全く違う映画に見えそうです。 この映画を見て最初は「あるある」だと思ったこと自体が、自分の中での差別意識だったと後になって分かるような作りで、最後は非常に居心地の悪い気持ちになります。

分かりやすい暴力と差別を描いた「それでも夜は明ける」や「ラビング」等を経て、白人が全く出てこずLGBTに比重が置かれたように見える(あと、やけにおしゃスノッブな雰囲気の)「ムーンライト」を経て、「差別者が意識していてない差別」「差別する側の中での被差別関係」のレイヤーを描いている「ドリーム」、そして本作。黒人差別映画もだんだん複雑化してきたな…、と思いました。憧れに見せかけた差別って、自分もやりかねない。黒人に乗り換えたいくらい憧れているなら、むしろ本物なんじゃないのかとか(狂信的なファンに殺されかける「ミザリー」とかを思い出しました)。

ホラーとしてもコメディとしても非常によくできていて、マジで怖くて面白いので誰にでもおすすめしたい映画でした。中身が白人の黒人ってあんなに違和感があるのか!とか 笑 生まれて初めて、「違和感のある黒人」というものを見た気がしました。

 

最近の5歳児とコーヒーとアンパン男

子どもが五歳になりました。


コーヒー豆のハンドピッキングはうちの5歳児の仕事だったのですが、色々あってあまり真剣にハンドピッキングしなくなった結果、子供にとっての魅力が減ってしまったらしく、率先してやらなくなりました。

代わりに(なのか)今はコーヒー抽出にはまっています。それ、お母ちゃんの趣味なんだけど…泣

 

5歳児の力ではちょぼちょぼしかお湯を垂らせないので、絶妙にいい具合で淹れられます。

 

正直、上手い。

 

ガスを含んだ豆がもこもこっと湧いて出るのや、徐々に泡が柔らかくなっていくこと、1杯きっかり120㏄淹れることなど、たしかに子供がはまる要因に満ちている作業なのでした。もこもこ泡が出るときに、注意深く音を聞こうとしていて、ちょっと面白かった。

コーヒーにまつわる諸作業が好きみたいですが、飲む方も好き。ホットミルクにティースプーン一杯のコーヒーを垂らして喜んでいます。

 

5歳の誕生日は、あっちこっちで祝ってもらいました。ケーキはアンパンマン。「おいしくて普通のケーキと、おいしくなくてかわいいケーキどっちがいい?」というと、悩んだ結果「今回はかわいいケーキを試してみたい」とのことでした。アンパンマンとはこれで最後になるかなー。

プリキュアも気にはなっているみたいですが、実際に見せるとすぐ見るのをやめてトーマスに変えてました。そういえば、私も少女漫画や美少女系アニメは縁がなく終わったものです。いつかは興味が出るのかな。

 

プレゼントはこういうのを上げました

買った当初1500円でした。大量に入っていてやっすー。

 

実はこれ、数年前に話題になったGEOMAGのパクリ商品なのですが

ゲオマグ プロ メタル140 215

ゲオマグ プロ メタル140 215

 

その他のGEOMAGパクリ商品と同じく、規格が何もかも一緒なので本家を買う理由を探す方が難しいです(もちろん、「倫理的に」というのは大きな理由になると思うけど)。本家はけっこうピースが少ないので、物足りないのです。

本家にはまって追加で色んな類似商品を買っているのですが、買えば買うほどパーツが増えて楽しいレゴ状態。かなりお勧めできます。

最初は2次元で「太陽」とか「人」とか作っていましたが、今は車輪パーツで車を作ったり、橋を作ったりできるようになりました。建設業楽しいよ。

 

5月に入り、論語と算数を始めました。まだ1回目ですが楽しそう。これとピアノで、土曜日は一日つぶれます。平日は宿題です。学びて時にこれを習う、また喜ばしからずや。

お受験はいろいろ考えてやっぱりやめました。中学の時にもう一度考えてみよっと。

 

以上、最近の子供の話でした。

50年後のボクたちは(2016年、ドイツ)

50年後のボクたちは [DVD]

クラスから浮いている14歳の少年二人が、盗難車に乗ってあてのない旅へ。裕福だけどお父さんはろくでなし、お母さんはアル中の少年1、やたらお洒落でいつも二日酔いの不良っぽい少年2、そしてゴミ置き場で発見されるセクシーな女の子。少年1は芸達者なのですが、少年2はけっこう棒演技なのが気になる…。まあ、いいか。

似たような題材の作品だとゴンドリー監督作品の「グッバイ、サマー」があります。グッバイ、サマーがドリーミーなのに対して、50年後~の方は割とリアル。道中で出会う癖の強い人たちも背景がしっかりありそうな描かれ方で、非常に魅力的でした。

 

大好きなファティ・アキン監督作品。移民などの社会問題とその土地の何気ない生活描写、それからいろんな形の愛を描くことが多い方です。

それで、本作。「これ、本当にアキン監督作品?」と思うほどに、印象が違いました。

少年たちのロードムービーとしては「グッバイ、サマー」よりよくできていたと思うし、最後まで楽しんでみることができたのですが、もっと心をえぐってくるような作品を想像していたので予想外でした。とてもいい映画だけど、別に見なくても良かったな、というか…。

監督インタビューを見てみると、いつもの制作環境とは違っていたようです。「突然話が来て、7週間しか時間がなかった。どうしてもやりたい作品だったので、とにかくやってみた」と。また、「もうオリジナル脚本の映画を2年ごとに撮る体力がない。このような監督業もやっていきたい」とも。アキン監督、もう44歳かあ。このような作品も撮るというのは意外だったけど面白かったし、これはこれでいいかも。

とりあえず私は「女は二度決断する」を楽しみにしています!

彼女の人生は間違いじゃない(2017年、日本)

彼女の人生は間違いじゃない [DVD]

まだ震災の傷が癒えないいわきの近くの町に住む男と娘。男は被災して死んだ妻のことが忘れられず、補助金をパチンコにつぎ込む毎日。娘は市役所で働くが、父親に嘘をついて週に1回デリヘルでも働いている。なぜデリヘルで働いているかは最後まではっきりとは分からない。「毎週東京で英会話に通っている」という嘘を信じている父親を見ると、別に金に困っているわけではなさそう。元恋人に「自分は汚れている」と言っていることから、自傷行為の一つであったと想像された。

物資が詰まれている被災者用住宅で首を吊ろうとする女や、半ばネグレクトされている少年の、暗い中ゲームをしている細い背中などが目に焼き付くようだった。みんな傷を抱えて身動きできないでいる。

物語が動き出すのは、男がいわき市の自宅に行き、死んだ妻の衣服を選んで海で撒くところから。時が止まったような荒れ果てた自宅の様子と、荒れる海と、「母ちゃん、寒いだろう」と泣き叫ぶ男のコントラストが鮮やかだった。

娘と不思議な絆を築いているデリヘルの運転手から、生まれたばかりの双子の娘の写真が届くところで物語は終わる。

題材が題材だけに、終始行き詰ったようなしんどい雰囲気が漂っている映画。色々詰め込んであるし、色々感じることがあった。

パターソン(2017年、アメリカ)

パターソン(字幕版)

アーハン?

よく分からないけど嫌いになれないし退屈もしない映画でした。

アダム・ドライバー演じる「パターソン」さんはアメリカのどこかにある田舎町「パターソン」で暮らすバス運転手。妻と寝ている窮屈そうなベッドから起き上がり、コーンフレークとコーヒーの朝食を食べて、詩を頭の中で推敲しながら職場につき、それを書き留めていると決まって同僚から愚痴を聞かされ、乗客の色んな世間話に耳を傾け、滝を見ながらサンドイッチを食べて、家に帰ると曲がった郵便ポストをまっすぐにして、妻の話を聞きながら料理を食べ、犬の散歩に行き、バーで1杯のむ(ここで意識が途切れる)…という毎日を繰り返します。

ただ、毎日ちょっとずつ変わっていく。詩がちょっとずつ進んでいたり、いつもと違う道を通ったり、不意の出会いがあったり。理不尽なことやちょっとした事件も起こるんだけど、パターソンは優しくそれらを包んで、時にはみんなを守ったりもします。あまりに好ましい人物…。こんな人、いる?いやいや、世の中の人って、大半がこのような感じだった!それって素晴らしいことだなあ、と改めて気づいて、よく分からないけど幸せな気分になりました。

しょっちゅう出てくる双子モチーフはなんだろう?パターソン市に住むパターソンさんというのも不思議ですよね。バス運転手としてのパターソンと、詩人のパターソンという2面性を表現しているのかな。

最後になぜか永瀬正敏さんが出てきてひっくり返りそうになりました。アーハン?

プレステージ(2006年、アメリカ)

プレステージ (字幕版)

クリストファー・ノーラン作品がアマゾンプライムにまだある!と思ってみた作品。面白かったです。ネタバレ即死系の映画なので注意。↓↓↓

 

中心に「マジックはタネが分かってしまうと興味がそがれる」というメッセージがあったわけですが、この映画自体もそうでなるべく何も考えずに見る方が良いです。

というのも、早い段階で夫が「クリスチャン・ベールの役って双子なんじゃない?」と言い始め、そういう目で見るとそうとしか思えない展開が続くので台無しに…(映画鑑賞中にめちゃ話しかけてくるので困る!)。続いてコピー機的な装置についても早々にコピー機だと気づいてしまいました。したがって、最後のシークエンスは冷めた目で見てしまう結果に。ネタが分かっていても面白いといえば面白いのですが、何も考えずに見た方が最後に向かって盛り上げていく演出に乗れやすく、楽しめると思います。

ヒュー・ジャックマンは、最初は安全なマジックをやる常識人だったのですが、悪・クリスチャン・ベールの毒気に当たって一番ヤバい人物になってしまいました。奥さんの死にざまを自分で「100回」体験しようとするというラストはただ悲しく、悪・クリスチャン・ベールが奥さん殺しの原因になったことを一度でも認めて謝らなかったのが許せませんでした。奥さんがつけてくれた名前を最後まで変えなかった点を見ても、本当に愛していたんだろうな、と。

実はカッターはすべてに気づいて近くにいたわけなので、この人もなかなか悪者であると感じました。

ゲーム・オブ・スローンズのジョフリーがバットマン・ビギンズに出ていた話と、アマゾン・プライムにクリストファー・ノーラン作品がたくさん出ている話

アマゾン・プライムでダークナイト3部作を見ていたら、「バットマン・ビギンズ」でやけに見覚えのある子役がいました。ケイティ・ホームズに守られているこの子、ジョフリー・バラシオンにそっくり…? 

調べてみると、本当にゲーム・オブ・スローンズの名高い悪役ジョフリー・バラシオンさん本人でした。この当時13歳。GOTでのヴィランぶりが想像できないほど可愛いし、短い時間ですが名演でしたよ。今は休業中らしいのですが、また役者姿が見たいです。

 

なぜかいまアマゾン・プライムはノーラン祭りでして、下記の作品が無料で見られます:

  • メメント
  • バットマン ビギンズ
  • プレステージ
  • ダークナイト
  • インセプション
  • ダークナイト ライジング

ダークナイト3部作が一気に見られるのはいいですね。さっそく3本続けてみて、睡眠をあきらめました。笑 改めてみると「ライジング」のトム・ハーディーかっこいいな!