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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011年、アメリカ)

映画の感想文

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い (字幕版)

「ルーム」に引き続き母子モノですね。これはタイトルが長くて気になっていたので観ました(なんだそれ)

「ルーム」の子役も美しくて印象的だったけど、こちらの子役くんも瞳がきれいで良かったなー。というか、演技派!もともとちびっ子のクイズ番組で優勝して監督に目をつけられたようですが、本作でも早口で長い長いセリフをまくし立てているシーンなど感心しました、感情を爆発させる演技もすごく達者だったなあ。演技のことようしらんけど。

アスペルガー症候群の息子と母親を描いた映画だと「mommy」が記憶に新しいのですが、もう本当にお母さん大変だな、と…。子どもがキレだすと手が付けられないんですね。傍から見ていると理不尽でしょうがないんだけど、それでも大きな愛で包むお母さんにただただ頭が下がります。

それにしても、この映画はトーマスホーンという主役の男の子がメインの映画なのに、尺が短いトムハンクスとサンドラブロックの名前ばかりでかでかと出てくるのは納得いきませんでしたね…。

ルーム(2016年、カナダ・アイルランド)

映画の感想文

ルーム

怖そうだから見るのちょっとやだな、と思っていたのですが、直接的な暴力表現がほとんどないので安心してみられる映画でした。母子が辛い体験を乗り越えていく話、とシンプルに言ってしまえなくもないのですが、そんなことよりも、辛いはずの監禁生活が母子なりに楽しそうな点、自由になったはずの生活の不自由さ――好奇の目に晒されることだけじゃなくて、周りのペースに追い立てられることとかあれこれ指示されることとか――が描かれている点がしみじみと良かったですねえ。最後のシーンが感動的でした。映画で泣いたのは「サウルの息子」以来かも。

息子が逃げるシーンがかなりリアルで、第一発見者が戸惑って積極的に助けようとしないところ、1度しか聞いていないママの本名を言えないところなどもグッときました。息子役の子(ジェイコブ・トレンブレイ)は賢くて美しくて、今後の活躍も気になるなあ。撮影時9歳だそうですよ。ただビックリ。

ブリー・ラーソンは最近結婚したばかりの友達に本当に良く似ていて、彼女を応援しているような気持で見ていましたってどうでもいいですね、スミマセン^@^ 

溜まった映画感想

映画の感想文

 

最近みた映画の一言感想です。

 

スティーブ・ジョブス

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マママ、マイケルファスベンダー!!マイケル!!ファスベンダー!という感じの映画でした(なんだそれ)何を演じてもマイケルはマイケル!ケイトウィンスレットとマイコーの演技が最高すぎました。ダニーボイルなので凝った撮り方とかプロットがあるのかなと思っていたんだけど、「発表会の舞台裏だけ映す」という構成以外は割と(いい意味で)普通で、素直に楽しめる映画でした。

 

消えた声が、その名を呼ぶ

消えた声が、その名を呼ぶ [DVD]

オスマン帝国によるアルメニア人大虐殺を生き残った父子の長い長い再会までのストーリー。冒頭は虐殺シーンが続くので衝撃的なのですが、大半を占める残りはロードムービーのような映画でした。かなり好き。道中、アレッポで石けん工場にお世話になるシーンがあるのですが、この石けんづくりの幻想的なシーンが好き。アルメニアがまだ平和なとき、親族全員で中庭で床座になって食事をしているシーンも大好きです。ファティ・アキン監督はこういう地域の風俗描写が最高なんですよねえ。

 

キャロル

キャロル [DVD]

まだ同性愛が理解されていなかった50年代アメリカ、離婚前のマダムとアルバイト少女が恋に落ちて…という話。これよく分からなかったなー。二人ともきれいだしその当時の洗練されたファッションも良いし、周りの風景など色遣いが本当にキレイな映画なんだけど、このストーリーに共感したり感動したりする感性が私には欠落しているみたいでした。

 

アンブロークン

アンブロークン 不屈の男 (字幕版)

アンジェリーナジョリー初監督作品で、内容が日本軍からの米軍捕虜への暴力が描かれているということで話題になっていたので好奇心で見てみました。なんだか微妙な映画だったなあ。おそらく一番感動的なシーンで、日本側の司令官の演技があまり好きではなく…。後日インタビューを読んでみると(ミヤヴィさんという日本人ギタリストらしい)「あのシーンはうまくできなくて吐いた」と書いてあった*1ので、もともと役者じゃないのに大熱演シーンがあって大変だっただろうなと思いました。日本人はほぼミヤヴィさん演じるワタナベしかしゃべらないので、もっと脇を役者さんで固めたほうが色んな意味で良い気がしました。

「ゼロ戦から攻撃を受ける米軍の戦闘機内」という初めて見る視点があって、これは新鮮でした。図体の大きい米軍機に比べて、ゼロ戦はまるでまとわりつくスズメ蜂のよう。神出鬼没で怖い存在だったんですね。ゼロ戦が落とされるたびに岡田准一さんが落ちていくイメージが重なりました(何それ)

映像が良くて、他にも見所がたくさんある映画でしたよ。また、ミヤヴィさんが気になって動画を見ていると、布袋さんとの共演ライブ映像がすごすぎて感動し、深夜眠れなくなる、など。

 

ベン・ハー

ベン・ハー 特別版 [DVD]

はるか昔に見たっきりであまり記憶にないと思っていたのですが、おおよそのストーリーが記憶通りでした。それほど一つ一つの場面がよく作り込んであるんだろうなあ。競技場のシーンはホントありえん。一体どうやって撮っているんだろう。ローマの地下牢は未だに恐怖の対象です。カビた暗闇に何年も閉じ込められるって…ヒーッ。トイレとかどうなってんの!?

来年、再映画化されるらしく超楽しみにしています。

キリストつながりですが、「パッション」をまた観たいなと思いました。こちらも続編が出るらしい!

メルギブソン監督作品だと「アポカリプト」も好きだったな。パッションもですが、史実や解釈の違いで批判も多いそうです。

 

ゴースト・バスターズ

ゴーストバスターズ 1&2パック [DVD]

↑1のほう

これも今年再映画化されていたので、勉強のために最初の作品を観ました。「アメリカのオバケ観」が日本と違いすぎて笑えました。やはり火葬と土葬の違いですかね。

 

火の山のマリア

火の山のマリア(字幕版)

この映画は…結末は驚くし、「こう感じてほしい」という意図もあまり伝わらないし、映像は魅力的で、訳が分からないけれどとても好きでした。制作者のインタビュー*2

を読むとグアテマラの社会問題を描いているとあって「まさか」とまたまた驚きました。どちらかというときれいごとではない現実と、それを超えていく生命の強さを神話的なタッチで描いているように感じました。悲劇や成功を華々しく描くスタイルとは正反対のスタンスで、なおかつ衣装などの風俗、現地の人の雰囲気や反応はリアリティーを追及しています。マヤ人の末裔マリアはある立場から見ると「かわいそう」なんだろうけど、例えば有力者と結婚させようとする両親は悪でも善でもなく、子供ができても怒るでも嘆くでもなく淡々と娘を大事にする姿などしみじみと「いいなあ」と。ペペも悪いヤツなんだろうけど、あまり悪く描かれなかったりするところも良かったです。イグナシオは不気味でしたね。そういえば、主要な登場人物のうち、イグナシオだけが現代文明とつながっているんですよね。

感想が全然まとまらないんだけど、最近観た中では一番良かったです。

 

超高速!参勤交代

超高速!参勤交代

続編が始まっていたので、アマゾンで公開されていたのでなんとなく見てみました。これ嫌いだった。どこかと言うと死んだはずの人が生きていたり、遊女が側室になったりするところ。心が狭いのは認める!こういうご都合主義・お涙ちょうだい型の展開は心が冷めてしまうので好きじゃないのです。別にすべて悪い方に行ってしまう映画が良いとは言わないけど、あまりに露骨だと「悪くなったと見せかけてからの~、やっぱり大丈夫でした!良かったね!」みたいな制作者側の意図を感じてしまい、なんかやだわ。

 

 

最近観たい映画がたくさんあるのに全然見に行く暇がありません。

  • 君の名は。
  • スーサイド・スクワッド
  • ハイ・ライズ
  • グッバイ・サマー
  • チリの闘い
  • ジャニス:リトル・ガール・ブルー
  • ジャングル・ブック
  • ターザン
  • ファインディングドリー(もう終わった?)
  • 怒り

どれも捨てがたい!他にも旧作で見たいやつが100本溜まっていて、死ぬまでに全部観られる気がしません。

家事もせずご飯も食べず1日20時間くらい映画だけ見たい。

 

日本にただ一つのコールハースのマンション

デザイン・建築

 

先日、世界にも少ししかなく、日本ではただ一つのレム・コールハースによるマンションの1住戸が売りに出されていました。2500万くらいでしたでしょうか、立地的に住むのは現実的ではないんですが、正直めちゃくちゃ欲しかった…。

 

コールハースってこんな人

もともとジャーナリストとして活躍していたそうですが、イギリスの建築学校AAスクールで数年学び、建築家になりました。建築設計事務所のOMAと研究機関のAMOという別の部隊を運営する新しいスタイルで、世界の大きな建築賞を総なめにしています。御年71歳。OMAは世界中に事務所があるのですが、OMAニューヨークは重松象平さんという若手の日本人建築家が代表をつとめていることも知られている…と思います(情熱大陸か何かドキュメンタリー番組で取材されていたし)

 

一番有名な作品ってなんだろう?

北京のこれかなあ

確か重松さんが担当されていたような?

 

個人的にはボルドーの家が好きです

車いすで生活されている方のための家。家の真ん中に巨大な上下する床が!

 

ツイッターの画像を見ていると「若き日のザハ・ハディドとレム・コールハース」が見つかりました。素敵ですね。

 

希少な建築家によるマンションプロジェクト

冒頭のマンションに戻りますが、場所は福岡県の郊外にある「ネクサスワールド」という建築家が集まって作ったマンション街の1区画にあります。このプロジェクトはスティーブン・ホールやマーク・マック、石山修武など錚々たる建築家が集まっており、利益が重視される日本のマンション市場においては奇跡のような存在だと思います。これは地場企業の主導によるプロジェクトだったそうです。神様のようなお施主さんですね…。

デザイナーズマンション団地!? 福岡市のネクサスワールドを訪ねる | goodroom journal

↑外観しかないけど…画像検索の方が色々見られるかも。

 

この前売りに出ていた1住戸はこんなの。

レム・クールハースの住宅 (福岡市東区香椎浜の物件) - 福岡R不動産

↓プランが良い!と鼻息荒くしていたら夫にキモイと言われた。でも、実際良いですよね?

http://realfukuokaestate.jp/estate_data/1458890521_p_src.jpg

 

調べてみると、他にも賃貸物件や売りに出ていた物件があるようですね。

レム・クールハースの住宅 (福岡市東区香椎浜の物件) - 福岡R不動産

圧巻のクールハース (福岡市東区香椎浜の物件) - 福岡R不動産

~ネクサスワールドコールハース棟~ 【福岡市東区香椎浜4丁目】 | (株)ミクニ天神店【賃貸情報】

※募集は全て終了しています。

文句なしにカッコいい。外に堅牢で中に開く形式なので、こういうものこそ都心にあってほしい!

 

有名な建築家がつくったマンションと言えばURの東雲CODANプロジェクトなんかもありました。伊東豊雄さんや隈研吾さんなど全員日本人です。

UR都市機構|UR賃貸住宅 東京エリア|デザイナーズ物件コレクション~東雲キャナルコートCODAN

 

 

建築家によるマンションは、収益性を重視するとなかなか手が出しづらいと思うのですが、結果的に長きにわたって価値を維持して売れ続けるのは建築家物件ならではだと思います。

パリやニューヨークでは建築家物件のマンションが多い(主に超高級物件ですが…)のに、東京ではほとんどないのは残念なことですね。お金の使い道とか、デザインに対する価値観の問題なのでしょうが。

初めてのピアノ発表会(未遂)

行事 子どものお世話 子どもの成長

3歳娘のピアノの先生が、「そろそろ発表会に出ましょうか」というので準備していました。とはいえまだ大したことはできないので30秒くらいで終わります。お気に入りのフリフリピンクのドレスを着て、ピンクのエナメルの靴を履いて毎日張り切って練習していました。

で、当日。鮮やかなドレスを着た女の子たちや蝶ネクタイをした男の子たちを見てしり込みしたのか、会場に入りたがりません。なんとかなだめて発表する順番に並ぶところまで行きましたが、自分の番になると「しないの」と言って突っ伏してしまいました…。最年少でもあったので、先生が「色んな子たちの初舞台の思い出」などをお話ししてくださり、なんとなく和んだ感じで終了。サルの赤ちゃんのようにひしっと私に巻きついたまま撤収しました。残りの発表を1時間くらい大人しく聞いて、記念写真を撮ってもらって途中で帰りました。

 

「これって結構ショックなできごとだったんじゃないかな?」と心配でしたが、帰りにじいじが連れて行ってくれた焼肉では人並み以上にモリモリ食べていたので、ちょっと安心しました。隣の家族連れの幼女ちゃんに「おようふくがかわいい」と何度も言われて得意げでしたよ。

ドレスに焼肉のたれが落ちそうなのを心配して、じいじがずっと手のひらでガードしてくれました。最終的に娘は小皿と勘違いしたのか、じいじの手のひらにご飯を一時乗せてましたがね(!)

 

ピアノに限らず発表モノは場数を踏むことが大事なので、また挑戦してみるといいかも。

 

最近の娘 

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腕時計と眼鏡が黄色でコーディネートしてるようだ笑

 

ボロボロのヒーロー、アンパン男

子どものものを買う

アンパンマン大好きな2歳の娘に、ばあばが初期アンパンマンの絵本を買ってくれました。 

あんぱんまん (キンダーおはなしえほん傑作選 8)

あんぱんまん (キンダーおはなしえほん傑作選 8)

 

ついでに赤ちゃんの頃のアンパンマンの絵本も。 

アンパンマンたんじょう (アンパンマン・クラシック)

アンパンマンたんじょう (アンパンマン・クラシック)

  • 作者: やなせたかし,トムスエンタテインメント,キョクイチ=
  • 出版社/メーカー: フレーベル館
  • 発売日: 2005/08
  • メディア: 大型本
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初期アンパンマンはけっこうな衝撃作でした。

あんぱんまん (キンダーおはなしえほん傑作選 8)

飢えている旅人に自分の顔を食べさせるのですが、今のアンパンマンのようにちょっと千切ってあげるとかの生易しいものではなくガッツリと食べられます。しかも、砂漠に旅人を置いて飛び去るアンパンマン…。助けてあげてー!

頭を完全に食べられて、首なし状態でパン工場の煙突に墜落するアンパン男…

マントもパン工場もボロボロです。頭のアンパンも完全に食べ残しなく食べ切られるあたり、戦後の貧しい状況を反映しているのでしょうか。

最後は今までよりも一回り大きい頭を焼いてもらったアンパンマンが、ジャムおじさん(この時点ではパンつくりのおじさん)に「がんばらないとー!」と呼び掛けられるシーンで終わりです。なんだか、ヒーローと言うよりはボロボロに働かされている人という感じでなんとも郷愁があります。そもそも背景からして夕景スタート。じんわり。

 

色遣いもシブくてけっこう怖い絵が多いのですが、不思議と最近のアンパンマン絵本より娘の反応が良く、一度に平均5・6回読まされています。後書きにやなせたかしさんによる「ヒーローは本当はかっこ悪くてボロボロなはず。ヒロイズムとはそういうものなのだ。さて、こんな自分の本は受け入れられるだろうか?」という投げかけが書いてあり、実際に大成功しているのでかなりカッコいいと思いました。初期のアイディアは今見ているモノとはだいぶ違ったのですね。

 

こちらは現代の「アンパンマンの起源」を描いた作品。

アンパンマンたんじょう (アンパンマン・クラシック)

赤ちゃんのアンパンマン絵本ですが、これは別の意味で怖いというか不気味…?今のアンパンマンとほぼ変わりない姿のアンパンマンが、赤ちゃんの頭巾とおしゃぶりをくわえた状態で「アンパンマンでちゅー」「バイキンマンをやっつけるでちゅー」と言う感じです…。絵柄は今のアンパンマンと同じ、明るくて影のない描き方です。

なんと、初期のアンパンマンに出てくる冒頭のエピソード「今にも死にそうな砂漠の旅人を助ける」というのが出てくるのですが、元ネタとは違って赤ちゃんアンパンマンが一生懸命旅人をしかるべきところに送りとどける話になっています。顔を食べるシーンはナシです。

まあ、確かに赤ちゃん(まだ弱い存在)が一生懸命旅人を運ぶ姿は献身的ですし、そもそも旅人を安全なところに送り届けているので原作のアンパンマンよりも道徳的、なのかも。顔を食べるシーンがなくてグロくもないので、安心して観られます(?)。ちなみに旅人役はやなせ先生。

その後、バイキンマン(こちらも赤ちゃん)と戦う姿が描かれたり。バイキンマンは卵から産まれたらしい!菌じゃなかったのね。しかし、メカに強いバイキンマンも赤ちゃんの頃はショボイマシーンに乗っていたりしてこれまた郷愁を誘います。

 

アンパンマンは強くなり過ぎたか?

アンパンマンのアニメを見ていると、アンパンマンは必ず勝つ普通に強いヒーローになっており、バイキンマンがいくらひどくてももはやどうでもいいというか…悪と善の対立というパワーバランスを超えているように見えるんですよね。アンパン側は限りなくたくさんの仲間がいる(しかも徐々に増えている…?)のに対して、バイキン側は気ままでやる気のないドキンちゃんだけだし、ホラーマン・ホラホラコとカビルンルンも何の役に立っているのか不明です。そこをメカの力だけで切り抜けようとする孤独なバイキンマン。結構すごくない?まあ、悪さしなければいいという話なんだけれど、もともと「誰かの役に立つため」に目覚めたアンパンマン、問題をつくられなければ存在意義もありません。バイキンマンは必要悪なのです。

 

何を熱くなっているんだ?

初期のアンパンマンの必死さ・ボロボロさをみていると、無駄に熱くなってしまいました。そんなことはどうでもよくて、幼児たちの注意を抜群に引いてくれるだけで、アンパンマンたちは存在意義おおありなんですよね。うん。そこを忘れてはいけない!(何の話だ)



考え続けること

何でもないこと 考え事

 

先日は大学時代の恩師を食事にお呼びしました。鼻息からも知識がフンガーと漏れてきそうな博学な先生で(って当たり前か、)久しぶりに先生の話に浴していると色々と反省させられました。


会社員になって数年経ちましたが、仕事がラクになったと感じることがある一方、ラクになったというより、考えずに動いていることが多くなってきただけでは?とも思います。「こういう事態にはこう対処する」という経験が思考パターン化してしまっていて、しかも大体のことはそれでうまくいってしまったりするのです。

しかし、本当は案件によって多くの変数があります。そして、思ったより早いスピードで、技術も「大多数の人の考え方」も変わっていっているようです。

毎回新しいことをする必要はないけれど、いつでもその案件に対する最適解を、できるだけ広いプールの中から掬えるようにしたい。考え続けることが大事だと思ったのです。そしてそれは、効率厨の自分には、意識的にしなければいけないことでした。

 

情報は処理しきれないほど手に入れられますが、ぼんやり生きていると「面白いね」「スゴイ」くらいの感想しか持てませんでした。しかし、物事に対する見方の面白さって、その出来事の単純なインパクトよりも、それが起こってきた文脈や今後の影響力を計れるかどうかにかかってるんですよね。

そして、そのような文脈的・体系的思考を身につけるためには、「一つのことを自分なりに深く理解すること」が大事なんだと思います。一つのアンカーが打たれているから、他のことを知った時に、それが持つ時代的な意味や必然性が自分なりに想像できるというイメージです。

アンカーを持つと偏るけれど、偏っていればいるほうが面白いと思います。さらに、何かの話題を振られたとき、「そのことは専門外だから…」という姿勢ではなく、自分のアンカーにめちゃくちゃ引っ張られたことを言う人が面白い。


冒頭の先生の面白さって、最近話題の建築家の話をするときも、気に入っているアイドルの話をするときも、同じ建築史というアンカーに引っ張られているから。思いっきり偏っているけど、それが真理でもあるんですよね。日本のアートが西洋の文脈で再発見されたように、建築史家から見るアイドルもまた、全く新しい価値を纏っているのです。