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11'09''01/セプテンバー11(2002年、フランス・イギリス)

セプテンバー11 [DVD]

ワールドトレードセンターのテロを題材に、世界中の11人の映画監督が「11分9秒01」で短編を撮った短編集です。アカデミー賞監督のアレハンドロ・イニャリトゥやダニス・タノヴィッチ、日本からは今村昌平など。

 

世界規模の羅生門現象

実際の諍いや戦争を描いた映画では、「それは本当のことなのか?」「どちらかが不利になるように過剰に演出されていないか?」ということが気になって素直に見られない時があるんですよね。ここ短編集では、同じテーマなのに驚くほど違う描かれ方をしています。

この映画は極端な例ですが、実際に起こったことが人によって違った風に意味づけられるのは当然のことなので、あまり偏らずに色んなものをみたいなと改めて思いました。

 

クロード・ルルーシュ

この作品は巨匠も多くて、なんとクロード・ルルーシュもあるんです!あのなんとも耳にキャッチ―な「ダバダバダ♪」という音楽とともにフランス人男女のお洒落な恋愛模様を描いた「男と女(1966)」の監督です(雑やなあ)

そしてルルーシュ監督の9.11は、やはり恋愛映画でした。フランスらしい湿度と粘土のある雰囲気で、他の作品からは浮いています。テーマは人がまた寄り添うきっかけとしての大事件、という感じでしょうか。同じ911を描いていてもこれだけ違うのかと。

 

アレハンドロ・イニャリトゥ 

一方でイニャリトゥ監督は実際の音声と画像データを編集してつくったかなりショッキングなものになっており、11作品の中では最も911をど真ん中で描いたように見えます。テロリスト側、被害者側への意見とか立場などは明言しないのですが、純粋に多くの人が死んだ事件としての911を鮮烈に描いています。人がボト…ボト…とタワーから落ちていく音が耳にこびりついて離れません。映像は真っ黒で音声のみ…というシーンが多いのですが、それがまたエンディングに向かって効いて来るというね…。テロを疑似体験するような映像でした。

 

ショーン・ペン 

短編映画として純粋に面白いなあと思ったのはショーン・ペンの作品でした。妻を亡くしたことに気づかず暮らしている老人の、一見関係なさそうな映像が続きますが、最後に意外な形で911が関わってきます。今まで目をつぶっていたことに気づかされたきっかけとしての911です。アメリカからの監督はショーン・ペンだけなのですが、少し寓話的に描いているのが事件との距離を感じて不思議でした。メキシコ人のイニャリトゥ監督の方がアメリカ人の立場っぽい描き方のように感じられました。むしろ、客観的だからこそあのように直球に描けたのかもしれません。映像はショーン・ペンがダントツに美しかったです。

 

この3者はアメリカ内部からの視点、テロ被害者が出てくる作品なのですが、下記はアメリカに対して、あるいは報道に対して違った視点を見せてくれました。

 

ミーラー・ナーイル

NY在住のイスラム教徒が、亡き息子のいわれなき汚名に傷つくという再現ドキュメンタリーのような作品でした。

 

アモス・ギタイ

イスラム教徒の聖地エルサレムで起こった自爆テロを、911と比して過少に扱う地元メディアに怒る女性レポーターや、現場で混乱する人たちの群像劇です。モデルのように麗しい役者さんたちがワーワー言ってるうちに11分終わってしまいました…。

 

サミラ・マフマルバフ

上記とテーマが少し似ているのですが、良くできていてこの監督自体に興味を持ちました。アメリカからの爆撃に備えて非力な子供たちが日干し煉瓦をせっせと積んだり、子供たちが語る悲惨な日常に対して女性教師が「そんな小さなことではなく、もっと大きな事件が起こった」と911の事件を紹介したりと、かなり歪な日常をリアルなタッチで描いています。アフガンの子供たちが911への被害者に祈りを捧げている間、アメリカはアフガニスタンを爆撃するというね…。子供たちのセリフがとても深くて、何度も見直しました。

 

ダニス・タノヴィッチ

背景が分からず、説明や字幕も多くはないのでざっくりとしか理解できていないと思うのですが、戦争や紛争に反対する運動を続けている女性が911が起こった今日もまた運動を続けていく、という話だったような気がします…。好きな監督なのですが今回は消化不足で自分にガッカリでした。

 

ケン・ローチ

同じ9月11日に過去起こったチリクーデターを、被害者の男性が読み上げる手紙という形で描く作品です。軍部が起こしたクーデターにより911の10倍以上の人が亡くなったそうなのですが、郡部を後押ししたのはアメリカとのこと。ただの被害者ではないアメリカの姿を切り取った作品でした。

 

イドリッサ・ウエドラオゴ

これは大好きな映画でしたねー。ブルキナファソの貧しい村の子供たちが主役です。ビンラディンを捕まえたら大金がもらえる!と大騒ぎし、子供たちがビンラディンのそっくりさんを追いかけます。911との直接的な関連は薄いのですが、ビンラディンがまさか希望の象徴になる、というシュールさがおかしかったです。

 

感想文を書いていない作品があるのは、あまりよく分からなかったためです…。そもそも理解するなんておこがましいし、まあいいか。 

おしまい。

 

 

絵本が泣かせに来る

 

年をとったせいか、さいきん涙腺が弱くてこまります。

娘に絵本を読んでいても、泣ける系の絵本だともうダメ。でも泣きながら読み聞かせは不気味だろうと思うので、必死でこらえながら読んでいることがあります。

 

これとかさ… 

おおきな木

おおきな木

  • 作者: シェル・シルヴァスタイン,Shel Silverstein,村上春樹
  • 出版社/メーカー: あすなろ書房
  • 発売日: 2010/09/02
  • メディア: ハードカバー
  • 購入: 11人 クリック: 84回
  • この商品を含むブログ (54件) を見る
 

いやいい絵本だと思うんだけど、最後の数ページはもう読めない。

献身的な愛とか本当にやめてほしい

 

あとこれは不意打ちだった

おばけのケーキ屋さん (絵本)

おばけのケーキ屋さん (絵本)

 

本屋さんで娘が持ってきて、ポップな絵柄だったので 軽い気持ちで読んでいたら号泣ですよ…。

もちろん買いませんでした

 

小さいころ読んでいた絵本も、今読むとなかなかキツイですね

これとか 

I'll Always Love You

I'll Always Love You

 

見るからに泣かせに来てる。今だったら表紙で警戒して読まないパターン(何)

 

あとこれね!この絵本大好きなんだけれども!最後の数ページ(never ever everのところ)が反則過ぎて、息が詰まりながら読んでる必死さよ

Annie Bananie

Annie Bananie

 

今読むとけっこうエグイことが書かれていて、子供ってこういうのに惹かれがちよね~とも思ったり。ちょっと意地悪な顔とか本当に大好き。色使いもキレイ。

 

あとこれ

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

 

もうさあ…なんなの(TOT)

 

保育園の先生も泣ける系に弱いらしく、読み聞かせながら普通に涙がたらーっと出てるらしいのでちょっと安心しました。夫はぜんぜん泣かない系なので、簡単に泣いているとバカにされます。ただ夫のすすめてくる感動話にはピンと来ないことも多いので、何かポイントがお互いずれてるんでしょうね。

 

以上、涙腺弱めの方にはおすすめできない読み聞かせ絵本の話でした(T_T)

 

 

バクマン。(2014年、日本)

バクマン。DVD 通常版

こんなこと書いたらまた読者がゴッソリ減ってへこみそうなんだけど、これ私には面白くありませんでした。いつも漫画を読んでいる夫は面白いみたいだったので完全に趣味嗜好の問題なのかもしれません。でもジャンル愛はない「ジャージーボーイズ」はめっぽう面白かったのになあ。

個人的に一番ムリだったのは「ピンチになったらライバルの漫画家が助けてくれる」という流れです。高校生漫画家は生活がかかってるわけじゃないんだし、アシスタント何人でもつけたらいいやん!ライバルたちは生活かかってるんだぞ!と大人げない苛立ちを感じ(何)、拍子抜けしてしまいました。そうなってくると私は感動し所を逃したわけで、だからイマイチ乗れなかったのか。

「高校生が授業を受けず、体を壊してまで」というのが美談ぽく感じられてしまったのも何か嫌でしたね…。普通に頑張ってる姿を描くだけじゃいかんのか。ていうか完全にブラックな業界やん。

また、「天才ライバルからの挫折」を描いているので、天才ライバルの作品なり人となりをもっと深く見たかったな。

努力!友情!と熱い話のはずが、尺が短いわけでもないのになんだかライトな映画でした。

 

小松奈菜ちゃんはめちゃくちゃかわいかったです。

サウルの息子(2015年、ハンガリー)

サウルの息子(字幕版)

ホロコーストが体験できるという地獄のような映画でした。主人公のサウルが必死で埋葬しようとしている「息子」が次第に抽象概念のように感じられていきます。最後のシーンはあらゆる感情が押し寄せてきて、意味も分からず泣きました。この映画全体が鎮魂歌なのかもしれません。

(そして原爆資料館やひめゆりの塔がVRで体験できるようになる未来を想像して震えました!)

最近「TRIBE」や「セッション」「ディストラクション・ベイビーズ」など、若手の映画監督作品が撮った暴力的でコンセプチャルな映画が気になります。後味は良くないんだけどどれも強烈な印象が残っています。

 

 

プライムデーの反省と、高いものをお得に買おうとすることについて

 

アマゾンのプライム会員以外にはなんのことやらという感じだと思いますが、昨日のアマゾンプライムデーはなんだかすごかったです*_*アマゾンが一日限定安売り祭りみたいなのを開催していたのですよ。

 

ちょっと欲しいな~と思っていたYチェアは21時3分の時点で瞬殺され、ウェイティングリストもいっぱいになっていました…。私も一応すぐにカートに入れたつもりだったんですがねえ。21時にパソコンをにらんでいた人が、全国にそれだけいたってことですね。値段は7万7千円ほどで、23%オフというところでしょうか。個人的にはもう一声という感じでしたが、そんなのじゃ気合が足りないということでしょうか(違)

興味本位でマックブックも見ていたけど、コレも瞬殺でした。これは3万円引きくらいだったかな。

 

よく感じるのですが、こういう高価なものを機会があるときにすぱっと買うのって、かなりの知識が必要です。日ごろから一般的な価格と希少性などをたくさん見て知っておかないと、目の前の良さそうなモノが本当にお得なのか、今買わねばならないのかが判断できません。私はあまり衝動買いしないので、大体は「良さげだがわからんなあ…」と見過ごすことが多いです。で、帰って色々見たあげく「買っとけばよかった」ということもあります。例えば昨日なら、BKFチェアだったら「買い」の値段が分かるけどYチェアは分からんぞ、という感じでした。ひとえにその商品への情熱の問題でしょうね。

カール・ハンセン&サン CH24 Yチェア ビーチ材 オイルフィニッシュ ナチュラルペーパーコード

 

↑ダイニングチェアが続けて2個壊れたのでなんとなく欲しいYチェア

cuero クエロ BKF Chair BKFチェア Butterfly Chair バタフライチェア PAMPA MARIPOSA POLO パンパ マリポサ(マリポーサ) ポロ スチールフレーム・ベジタブルタンニンなめし革

 

↑昔から欲しいBKFチェア

 

最近大きな買い物をした(というかしそう?)なのですが、これも2年くらいかけてじとーっと市場を見て、焦点をどんどん絞っていった結果「これだ」という瞬間に出会いました。商品は数時間しか公開されていなかったので、その情報を知りえた人はほとんどいなかったはずです。こうやってほとんど市場に出ることなく、じとーっとした目で選ばれて即決される商品が世の中にはたくさんあるんだよなあ、と気づきましたとさ。

 

プライムデーではけっきょく日用品を数点と小さいバッグを買って引き揚げました。日用品は割引率が高くてロハコのセールよりもお得だったので満足。思えば数百円お得になっただけなので、大したことないんだけどね^^;買いものは、私にとっては「お得に買えた感」も含めてのエンタメです。

 

 

Amazon prime dayで買ったもの&構築的なデザインのバッグが気になる

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最近アマゾンが何やらひんぱんにメールを送ってきていたのが気になっていました:「プライムデー始まる!とにかく安い!」…翌日「プライムデーで買うべきアイテム!お客様におすすめなのはコレ!」…1週間後「プライムデーついに明日!」…

おうおう、そんなに安いのかい?と思いつつ、合わせ買い対象でカートに入れっぱなしの日用品も買ってしまいたいと思っていたので、何か良さげなものはないかな~とアマゾンを徘徊してみました。

 

本日23:59までということで、時間帯別に色々とタイムセールやってるみたいです。個人的にこの後の時間帯で気になっているのは、多分21時台のYチェア。いくらになるのかなー? 七掛け以下なら買いです。

 

時間別の商品はここで見られます。くっ、とんだタイム・イーターだぜ… 

 

 

いまのところ、洗剤等の消耗品の他にYahkiの小さいバッグを買いました。

[ヤーキ] YAHKI YH-57 YH-57 BLACK (ブラック)

 

このブランドは前から気になっていたので、25%オフで買えてラッキーでした。ファッションアイテムは割引率が最大で25%オフなので、これは一番お買い得だったパターンです。

こういうミニバッグはクラッチが好きなんだけど、子供とお出かけするとなると手がふさがるクラッチはめっきり出番が減ってしまいました。肩掛けでバケツタイプか巾着タイプがいいな~と検討していて、yahkiかbuilding blockかなーと絞り込んでいたところでした。

グレーも気になりました。

[ヤーキ] YAHKI YH-57

[ヤーキ] YAHKI YH-57

 

 

 

他に気になっていたBuilding blockはこんなのです。

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↑これはセールで売り切れたのだ…。

 

ニューヨーク在住の日本人デザイナーだったように思います。近くのセレクトショップでもちょくちょく見ていたので、日本で買うとかなり割高だな…と躊躇しています。でも欲しいなあ。

今買えるのだと、このテラコッタとナチュラルがいいな。

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この前公式サイトでサマーセールをやっていたとき思い切って買えばよかったです。40%オフだったので、関税100ドルを足しても日本で買うのの半額以下でした。個人輸入が抵抗ない方は、定価で買う場合も公式サイト経由が良いかも。

 

アマゾンにもありましたよん。 

 

 

こういう直線・正円・正方形を使っていて、ディテールが見えないようになっているシンプルなバッグが好きです。

 

Aetaも気になる。夫と共有できそうな感じ。誕生日に買おうかな。

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ブランド紹介:Aeta(アエタ) / Need Supply Co.

 

 

Baobaoも私の中で構築的・幾何学系デザインに分類されています(だから何)会社の人が出張用に大きいリュックを使っていてかっこよかったです。たぶんこれより2回りくらい大きいやつ↓

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↓実際はこういうのが出番多そう。 

 

 

構築的なデザインのバッグの話でした。

 

 

関連記事: 

 

ヴァイキング ~海の覇者たち~(2013年~、アメリカ、ドラマ)

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※2018年3月16日、シーズン5まで更新済み

 

まーたドラマにハマってしまいました。プライムビデオで観られる「ヴァイキング~海の覇者たち~」シーズン1-4です。

最近のアメリカドラマって、制作費もかかってるし映画監督が撮ってるしで、もはや今までのドラマとは別物ですね(ホントいまさらですが!)。特に最近は映画の監督や役者の起用が目立ちます。

 

中世ヨーロッパの荒くれ者たち

映画でも本でもいいのですが、コンテンツにハマったり好きになる理由に「登場人物を好きになる」というのがあると思うんです。映画は長くても3時間程度のお付き合いなので、10時間も20時間も付き合いのできるドラマって、そりゃハマるよね~と思いました。

このドラマも登場人物が魅力的なのですが、強烈な人ばかりなのでただ圧倒されます。舞台設定が中世スカンジナビアで、主人公はヴァイキングという荒くれ者たちであり、倫理観が今とは全く違うのです。ちょうど「ヒックとドラゴン」がモデルとしている人物たちと同じだと思います。背が高く筋肉質で、髭を長く生やして髪を編み込んだ独特の風貌。お風呂は入っていなさそうな感じ。金髪で色素が薄く、目がアイスブルーの人も多くいます。宗教観が八百万の神を信仰していた頃の日本に近かったり、女性の権利がきちんとあるなど、親近感を感じる部分もあります。

 

独特の宗教観は「マッドマックス」みたい

似ている作品としては「マッドマックス・フューリーロード」。襲撃のシーンなどまさに!という感じです。作物がうまく育たない地で死亡率も高く、むしろ死後の世界を夢見ている所があります。誇り高く死ぬことができれば神々の元に行けると、そればかり気にしてむしろ死にたがる人たちが多く、戦いでは「狂戦士」状態になるあたりがsuch a lovely dayな感じです(どんな感じだ)。「死を恐れない巨人たち」って、周辺国にとってはとんでもない脅威だったろうな。神々の存在はとても大切なようで、年に一度は9人の生贄をささげるために夜通し危ないお薬を飲んで騒ぐという奇祭も…。働き盛りの男を毎年9人犠牲にし、しかもいつも略奪のための戦いでごっそり人が減っているわけなので、むしろ口減らしの目的もあったのかもしれません。

 

ストーリーは神話と伝承に基づく

ヴァイキングの歴史は神話と密接に結びついており、主人公のラグナル・ロズブローグも2番目の妻のアスラーグも神の子孫や子とされています。アメリカのウィキを見るとドラマの登場人物たちは実在していたりしていなかったり、エピソードが前後していたりそもそも違っていたりするようです。しかしラグナルの子供たち――剛者のビョルン、ウバ、蛇目のシグルド、骨なしアイヴァーなどはまさかの実在の人物らしい!息子たちがみんなキャッチ―過ぎる。

骨の奇形のあるアイヴァーや、目に蛇模様が入ったシグルドはCGで再現されています。骨なしアイヴァーは障害児ということで一度ラグナルに殺されかけるのですが、もし史実の通りだと今後息子たちの中で最も剛の者として育つはずなので超楽しみです。

 

人物たちが魅力的

主人公ラグナルはヴァイキングらしい強くて勇敢で巨大な男なのですが、ヴァイキングの中では知的な人物として描かれており謀略も楽しめます。妻の尻に敷かれており、怒られては「シューン」となっている姿が何とも可愛らしい。

また、最初の配偶者の女戦士ラゲルサがたまらなくカッコいいです。公平で強く、誇り高い女性で、ちょうどマッドマックスのフュリオサのようなキャラクターです。

2番目の配偶者は神の子で、巫女的な役回り。あのキャッチ―な息子たちをポコポコ生みます。

また、イギリスから奴隷として連れてこられた宣教師がおりちょうど現代人の目になって物語を追ってくれます。

 

なかなか凄惨なシーンが多いので、某ウォーキングドラマ(?)が平気な方なら大丈夫だろうけど、苦手な方にはからっきしダメかもしません。しかし、北欧の大自然が美しく、本能のままに生きる男女が清々しく感じられるドラマです。

 

7月13日追記:第3シーズンが始まりましたね!さっそく寝不足で見ております^^;まさかあの人が死ぬとは!個人的にはやはりアイヴァーのいく末が気になります。

 

8月9日追記:早くも第4シーズンが!!しかも全20話のロングバージョンでわくわくが止まりません。今のところ骨なしアイヴァーくんが少年に成長して、何かを起こしそうな雰囲気を漂わせているのが楽しみなところ。他にラグナルの子どもたちで目立っているのはウバだけで蛇目シグルドなどは「いるの?」という感じですが…。ラグナルは個人的には魅力ダウンで興味を失いつつあるところ。

 

8月12日追記:シーズン4は10話までしか公開されていなかったのでいったん感想。

・中国人娘の謎。史実ではなかろうし、ストーリー上必要あったのか非常に疑問でした。ただでさえ落ち目のラグナルがアヘン中毒に。目も当てられない…。

・蛇目のシグルドはCGもったいなかったのか(?)もはや蛇目でもなんでもなくなっていますが、「人の秘密をつい発見してしまう」という役割になっておりイイゾイイゾーと思いながら観ていました。ウバともう一人の兄ちゃん(名前失念)はしっかり者に成長していましたね。

・アイヴァー頭角を現し始める。目を見開いて笑うところがちょっとヤバそうな子役が当てられているのですが、幼児にして逆切れ殺人!その後も姪のシギーの死を「どうでもいいじゃん」と笑ったり、サイコパス的なキャラクターにされつつあるようです。こういう人、実は今までマーシア女王くらいしかませんでしたね。史実的には大物になる予定のアイヴァーではありますが、こういう系なのかあ。話がすさむからやめてほしい

・ビョルンの娘シギーの扱い…。ものすごい美少女で記憶に残っていたんだけど、実は失踪したポルン(ビョルンの恋人でシギーの母)がアウスラグ(ラグナルの妻でアイヴァーの母)に面倒を頼んでいたんですよね。アウスラグはそれをす っ か り 忘 れ て お り ま し て ・ ・ ・ 。 前のシギーと同じく人知れず水死してしまいます。名づけって大事。しかしまあ、アウスラグは悪者にされていく流れみたいですね。個人的には「浮気女に制裁を!」みたいな感じでちょっとイヤかな。何でこの人だけ厳しくされているんだろう。ラグナルに関わると不幸になりますね…。

・なんだか幸せそうなロロ。ラゲルサもラグナルも不幸になっていっているようなので、唯一の癒しがロロと妻のラブラブぶりです。フランス王はわざと「愛人にしてもいいか」と尋ねて部下の策略に気づいたりとなかなか智恵者なところを見せてくれるし、ヴァイキングの話なのにパリ側に気持ちが傾いてきました。

・美髪王。この人何かありそうな感じで登場したのに、なんだか印象薄いなー。史実ではラグナルの時代ではありませんが、いずれノルマンディーを統一する人、らしいのですが。

 

2017年2月20日追記:

気づいたらシーズン4の後半が公開されている!アマゾントップでも一切触れられていないのですが、そんなに人気ないの?(;;)後半もめちゃくちゃ楽しめちゃいましたけど!

 

【アイヴァーとラグナル、父子二人三脚の旅】

・アイヴァー躍進、オトンとの2人3脚旅行は図らずもホロリとしてしまいました。なんだかんだで両親に一番愛されてるな!

・ラグナル父ちゃん、破れかぶれからの仲間虐殺→エグバート王と「俺とお前と大五郎」状態→拷問死。蛇穴は史実と同じ死に方らしい。今まで頑丈すぎて、なんだか死んだ気がしなかった~(オイ)

・ラグナルとエグバート、「俺の方がアセルスたんが好きだった!」「いや俺が!」みたいなこっぱずかしいやり取りをしていて謎だった。アセルスタンってそんなに魅力的なのか。

・さらに関係ないけど、アセルスタンの息子が大事にされており、長男の方は2の次っぽいのも謎だった。

・ていうか、マーシア王女がラグナルの息子と主張していた忘れ形見くん、アッサリ否定され追い出され、まあこのドラマにありがちなんだが子供に容赦なさすぎ。

 

【ビョルンの大冒険】

・地中海を目指すビョルン一派、ロロとまさかの共同作戦。ロロ「盛り上がってきました!」ロロ妻ギスラ「ぜったいに赦さん」この女の人怖いんだよなあ

・ギスラ王女、ロロが帰ってきたら本当に子供と一緒に死んでたらどうしようと思ったけど、「きーっ」ってなってるだけだったからむしろほっとした

 

【元嫁ラゲルサの長年の恨み爆発】

・相変わらず微妙なポジションの美髪王兄弟。今回は好きだった相手に裏切られるというエピソードがあったが、コレ必要なのか。ラゲルサに謀反がバレてピンチのままシーズン終了。はてさて。実際はノルウェーを統一する人物らしいので、消えるわけはないのだが。

・アスラウグ女王、ラゲルサの謀反を知ってあっさりと降伏。あっさりと殺される。ラゲルサはそういう人よね…。でも、これでアウスラグの息子に殺されることが運命づけられたみたい。受け入れるラゲルサ(まだ生きてるけど)あとなぜか同性愛に目覚めていた。

 

【伝説の男、ラグナルを悼む大戦争勃発】

・エグバート王、老いて判断力も低下。アイヴァーを見くびって逃がしてしまう。今まで父に利用され続けてきたエセルウルフ王子もこれにはさすがにカンカン。だが王位を渡されちょっとホッコリ。

・復讐にきたヴァイキングたちにやられてしまい、部下たちに「命を大切にしろ!」と言いながらエセルウルフ敗走。このシーズンのエセルウルフ、判断がいちいち正しくて健気で、なんか好きだったな~。

・そしてエグバート(元)王、王位を渡したことを黙ってビョルンたちをだまし、まんまと「血の鷲」を逃れお風呂でのんびり死ぬ。最後まで策士でしたな。

・ヘルガを亡くしたフロキは生きる希望を無くし旅立つ。ラグナルと「愛してる」と言いあうシーンなど微妙にBLキャラであった。

 

【ラグナルの息子たちの時代、ゴタゴタのスタート】

・名前忘れたけど、アウスラグの息子たちの愛人が長男のウベと結婚。だが結婚後も「共有する?」みたいな話になっており、悪い予感しかしない。

・息子たちがようやく区別できるようになってきた。(顔はラグナルに似てるけど)兄さんぶろうとするがどこか抜けているウベ、悲観的で攻撃的なシグルド、お人よしのヴィトセルク、鬱屈した切れ者アイヴァーという具合らしい。

・アイヴァーは軍師っぷりを発揮し、その後そりの合わなかったシグルドをはずみで殺してしまう!どうなってしまうのか。死ぬ時に「蛇目設定」が思い出したように表現されていた。そういえば蛇目シグルドでしたね。

 

シーズン5が楽しみでしょうがないんですが、人気がないようで打ち切りが心配です。

 

 

2018年3月16日追記: 

気づけばシーズン5まで公開されていました。今回もヒッソリと。本当に人気ないですね。

色々忘れていたけど、アイヴァーがシグルドを殺すところで終わっていたんですよね。シーズン5の始まりも、兄弟で重苦しい雰囲気の中「殺すつもりはなかった」みたいな話をしていました。

もうすっかりラグナルの息子たちの時代になっています。物語の中心は4男のアイヴァー君。一応「骨なし(Boneless)アイヴァー」であり骨の奇形のある異形の人物というはずなんですが、ドラマ的には足に力が入らないだけで普通の青年です。なんなら途中から普通に歩きだすという…。予算の問題かもしれんけど、設定がないがしろにされすぎのような。

ネタバレ。

 

【ロロ兄さん】

・最後に一瞬出てくる!フゥー!超老けてる!ラゲルサもいい加減老けメイクした方がいいんではないのか!若すぎて怖いぞ!

・ラゲルサはカテガットの統治権が正統ではなく、母親を殺しているので復讐をする権利があるという理由でアイヴァーに肩入れしたらしい。まあ、確かに正しい、のか。ロロは昔ラゲルサに惚れていたような気がしたし、ビヨルンのことも可愛がっていた気がしたけど、もう昔の話なんだな~。ていうか、アイヴァ―たちとはあんまり交流なかったような気がするのだがー。

 

【力を落とすラゲルサと、アイヴァーにつく美髪王】

・ラゲルサが美髪王をレイプしたシーンはビビりました

・びっくりしすぎて彼女についてはそれ以外あんまり記憶がないです…。

・そういや美髪王に恋人を取られたんでした。美髪王、なぜあの人を突然連れて行ったのかよく分からなかったけれど、このシーズンでは非常にいいやつ感がありましたね。

・森でキャッキャウフフする美髪王と妻。かわいすぎる。

・美髪王はいまたまたまアイヴァー側についてますが、アイヴァーよりも人望が厚くて将来有望な感じ。アイヴァーにはもう一人、部下をまとめられて頼りになる腹心が必要でしょうね。

 

【軍師と思いきや…アイヴァー君一進一退】

・長男ウベ(ウバ?)と仲たがいして内戦に。ヴィトセルクはアイヴァー側につく。

・やはり策士で何度か非常にうまい戦略で勝利。

・しかし、いつも勝てるわけではない。策士であることが見抜かれているので相手も先を読むし、前線に立って指揮することができないし、人望があまりないせいか。

・一人で歩けるようになったり、体を鍛えたり、ガチムチな側近を集めたりとひとり立ちしていくシーンが続くのだけど、ヴィトセルク兄さんを必要以上に馬鹿にしたりなどあまりまだトップに立つ風格のないアイヴァ―さんなのでした。

 

【ビヨルンの大冒険2】

・前回も冒険に繰り出していたビヨルン君(というか毎シーズン冒険に出ている?)、今回は美髪王の弟さんと砂漠へ。

・色々いい思いもしながら、カテガットに帰ってきたらなんと内戦に参加させられる。そういえば、カテガットの王位継承権ってどうなってるんだろう?ラゲルサはほぼ乗っ取りに近いとして、ビヨルン→ウベ→ヴィトセルク?だとしたら、ウベ×アイヴァーというよりは、ビヨルン×アイヴァーという戦いになるのか。ラゲルサを助けたいのはビヨルンだけだろうし。

・あまり賢い系としては描かれないけど、ビヨルンは一番ラグナルに似ていて冒険好きで豪胆。賢さと野望はアイヴァーという感じか。この二人が敵対させられるの、非常にもったいないですね。

・そしてその原因はラゲルサという。

・たまたま同時期にエセルフルたちが力を落としているのでなんとかなっているけど、このタイミングでエセルウルフが向かってきたら終わりだなー

 

【エセルウルフ王…どうした?】

・エグバート王の機転により、土地も手放すことなく、マーシア含めて大きな軍隊もあるはずのエセルウルフ、なぜか僻地で弱り切っていて謎。土地の話を知らなかったのか、アイヴァーたちが強すぎたのか。

・今シーズンのアイヴァーにしてやられる係は主にエセルウルフでした…。

・挙句ハチに刺されてお亡くなりに…。途中から結構好きなキャラクターだったので、非常に悲しかったです。エグバートにコケにされながらも、いつだって妻や息子たちを守り、勇気があり、正しい判断をしていた人だったなー。

・そして、「母の言うことを聞け」という遺言を残したので、長男は超嫌がりながらも王位を辞退し、アセルスタンの息子である次男君に王位が。

・いいんだけど、エセルウルフ王、可哀そうすぎませんか?

・アセルスタンの息子が、今現在の現代っ子っぽい子でなんとも味わいがある。合理的で、いい意味でマイペース&わがまま。もやしっ子でロン毛。

・今後が楽しみなイングランド勢なのでした。

 

【フロキ、新世界をつくる】

・相変わらず神がかっているフロキ氏、幻覚のようなものを見てカテガット民を数人新世界という名の荒れ地に連れていく。

・この一連のストーリーはあまり興味が持てなかったです…。

・フロキ、死んでしまうん?

 

以上です。

 

最後はみんな絶望的な夢の世界みたいなところで戦っており、ラグナルの夢もここまでか…という終末的な雰囲気が漂ってましたね。次はどうなるんだろう。

ひたすらストイックなキリストと現実世界を生きているイングランドの民とのギャップが面白い。

そしてロロ兄さんはどうしてるんだろう。

 

次も楽しみです!