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アクアマン(2018年、アメリカ)

アクアマン(吹替版)

キング・オブ・スローンズで異様な存在感を放ちつつも、ちょっとだけ出てすぐいなくなってしまったジェイソン・モモアが主役をしているということで見てみた。やっぱり彼の存在感はすごい。普通の人の隣に立っていると、違う生物のように見える。単に筋肉や体格が違うというだけでなく、あまりに特徴的な眉毛や金色の波みたいに見える髪の毛など、顔自体が目立つ。

Jason Momoa

お話自体は何ということもなかったが、ジェイソン・モモアとトンデモ水中アクションだけで楽しめる。「なんじゃこりゃ、ありえん」というような展開ばかりなので、バカバカしいのも許容できる方に限られるが…。

 

ニコール・キッドマンの狭い部屋でのアクションも良くできていて、「全体像が分かりつつも迫力はある」という難しいことをやっていた。若い頃を表現するCGとの合わせ技なので、この短い時間にとんでもないお金と労力がかかっていそうだ。とはいえ、まだまだ現役で「キレイな人」をやっているのも、いやはやスゴイ。

メラという王女役はどことなくアリエルのようないで立ちだが、しっかり強い女性をやっていて好感が持てた。彼女もアクションが素晴らしいし、猫のような大きな目が忘れがたい。

 

人間としても超人的な役者さんたちによる超人の神話であり、あまり個人の葛藤に踏み込んだりするようなつくりにはなっていない。そういったものを超越した、カラッとした雰囲気が気持ちいい。ジェイソン・モモアのガハハ感のせいもあるかもしれない。バーフバリとかに近いんじゃないだろうか。

20センチュリー・ウーマン(2016年、アメリカ)

20 センチュリー・ウーマン(字幕版)

20世紀になる前にガンで死んでしまった女性の話。鑑賞者側は女性が死ぬことが分かった上で、1980年くらいに起こった思春期の息子とのすれ違いを見守る、なんとも変わった映画だった。冒頭から女性(ドロシー)と息子(ジェイミー)がその当時の声で、「◯年〇日、こんなことが起こる。」というような、どういうタイミングで、どういう意識で語っているのか分からないナレーションをする。この不思議な感覚に冒頭からつかまれてしまった。

 

話はちょっとシュールなんだけど、人物造形は徹底してリアルだ。ドロシーの家に下宿しているパンクな雰囲気のアビーと、毎日ジェイミーのベッドに寝に来るジュリー。ドロシーは、思春期になって接し方が分からなくなってきたジェイミーの面倒を、この二人の女性に託す。ジェイミーはそれを気に入らないものの、二人から影響を受けながらフェミニストに育っていく。

 

ジュリーの、いかにもクラスに一人はいそうな小悪魔ぶりも良いし、アビーの濃厚なフェミニンさも良い。ドロシーはどこか男性的で固い雰囲気なのだけれど、なぜそうなのか最後になるまで分からない。

それぞれにタイプの違う魅力的な女性たちで、彼女たちに囲まれて育つジェイミーが意外とまっすぐ育っていく様子が何とも愛おしい。それぞれの人生がどこか変に見えるし、自分たちの生き方に自信がないように見えるのが良いのだろう。ジェイミーは「正解はない」ということと、「相手のことを考える」ということを学んでいったんだろうと思う。

 

個人的に一番気に入ったのは、冒頭と同じようにそれぞれの登場人物がその後の人生を語るシーン。とても濃厚に見えた彼らが一緒に暮らした時間は、実はほんの一瞬で、その後にも長々とそれぞれの人生がある。ドロシーは亡くなってしまうが、そのシーンはなく、二人乗りの飛行機に乗って飛び立つシーンが最後だったと思う。

大切な人同士のすれ違いや人生の葛藤を描いているものの、あまりシリアスになりすぎず、正解を求めないライトな雰囲気が心地いい。

 

ポスタービジュアルに現れている通りだが、オシャレな映画でもある。華美ではないけれどどこかオシャレな内装や、登場人物の服装も一見の価値あり。エルファニングは相変わらずイノセントな雰囲気で、ペールブルーのブラやドレスが印象的だった。

6歳女児のスニーカー探し

子供にスニーカーは必須。子供服選びは私の楽しみでもあるので、一緒に気に入るものを探しまわるんだけど、歩きやすさと脱着のしやすさを勘案するとなかなかない。

 

で、けっきょくこれを買った:

ビッキー リボン L サテン AC PS

ã­ã㺠ã¬ã¼ã«ãº ãã¼ã ããã­ã¼ ãªãã³ L ãµãã³ AC PS (17-21cm), Pale Pink-Pale Pink, large-JPN

ピンク+リボンなので娘はお気に入りで、届くまで毎日楽しみにしていた。娘はピンクの色味にうるさい。くすんでいないことと、濃すぎない色が好み。彼女が気に入った数少ないピンクなのだ(大変なのだーーー)。また、全体的にマットであることも好まれる。ピカピカした生地が嫌いらしい。

私としては、シンプルでラインがすっきりしていることが希望。プーマのこのシリーズは、同型で大人用もあるのだが、基本がクラシカルなプーマの細いスニーカーの形で非常に良い。足幅が合わないかというと、そうでもないようだ。娘の脚の形は…普通だと思う(なんだそれ)

子供用なのにこんなにスッキリしている

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履きやすさについては、クッション性のある非常に柔らかいインソール入りで気持ちいいし、リボンは伸縮性があって固定されているので立ったまま足を突っ込んでもはける。

プーマ公式でセール30%オフ。17センチ~3500円だった。やったぁ。

 

 

他の候補:

キッズ スウェード 2ストラップ PS スニーカー

ã­ã㺠ã¹ã¦ã§ã¼ã 2ã¹ãã©ãã PS ã¹ãã¼ã«ã¼ (17-21CM), Pink Lady-Puma Team Gold, large-JPN

プーマっぽいシンプルでスポーティーすぎないデザイン。昔小さいサイズを履いていたが、娘もこれが好きだし、もう一度サイズアップして買うかな…と思っていた。

ただ、スウェードなのでかなり汚れやすい。最初は防水スプレーなどでなんとか保っていたけど、汚いパリの街で履いて半日で真っ黒になった…。こうなってしまうと、もうオキシクリーンを使おうがガッサガッサこすろうが汚れは落ちない。まぁ、日本で、それほど活発でないお子さんならそんな汚れない…と思う。

 

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ピンクだし履きやすそうだしデザインもいいやん!とお勧めしたものの、ピンクが濃すぎるらしいです。はいサヨウナラ。

 

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これなー、未だに可愛いと思っているんだけど、娘にはスポーティーすぎるらしく、あえなく却下。色も渋すぎたらしい。実は私も、ステラとコラボしているこのシリーズのスニーカーを持っている。よく褒められるし、ちょう履きやすいよ。

 

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ウルトラブースト。夫氏はこれは真っ白を持っている。なんと、ピンクじゃないのに娘はこれがいいとおっしゃる。というのも、トイストーリーコラボのスニーカーなのだ。全体に白っぽいからというのもあるかも。しかし、子供のスニーカーに1万円はちょっとなぁと思って、私が却下。すまんな、娘よ。次は気前のいい親の元に生まれておいで。

 

 

実は、ラメやハートがついたディズニープリンセスコラボや、飛んだら光ったりローラーがついたりしているスニーカーは、娘も可愛いと言っている。しかし、そこは親のわがままで、私もいいと思うデザインを選んでいる。

いつかそれも全く聞かなくなるかもしれないけれど、それまでは二人でああでもないこうでもないと言いながら選びたい。

ビューティーブレンダーを捨てて使い捨てスポンジに変えた話

題名通りなんだけど、半年以上愛用していたビューティーブレンダーたちを捨てた。理由は、「清潔に保つのが難しい」という点。それ以外は好きだった。

Beauty blender ブラック(ビューティーブレンダー)

ビューティーブレンダーはこういう大きめの涙型のスポンジで、水を含ませてベースメイクを馴染ませるのに使う。これが非常によく、キレイに馴染んで持ちがよくなる。サイズの大きさもいい仕事をしていて、しっかりファンデーションを叩き込みつつ、こそぎ落としてしまうこともない。

 

ただ、大きいせいで洗っても中心がいつまで経っても乾いた気がせず、梅雨になったので清潔感が気になってしょうがない。

洗うのも手間だ。使用後は毎回洗顔料で軽く洗い、週に一度洗剤に付け込んでしっかり洗う。この週1のディープクレンジングでは、何度すすいでも洗剤の泡がちょっと出て、洗剤のにおいも抜けづらい。

ある日、全てが嫌になり全部捨ててしまった。

 

しかし、ファンデーションブラシだけでは仕上がりに不満があり、水スポンジは絶対に欲しい。というわけで、これを見つけて買ってきた。

よくある30個入りの使い捨てスポンジ。ロージーローザというブランドだった。350円程度なので、ひとつ12円程度。

ロージーローザ バリュースポンジN ウェッジ型タイプ 30P 【目元や小鼻の周りなどのポイントカバー使いに】

これを片面ずつ使い、2日目に捨てる。ビューティーブレンダーが2500円程度なので、ビューティーブレンダーひとつ分の値段で14か月分のロージーローザが買える計算だ。ビューティーブレンダーは1年も持たない(割れていく)ので、ロージーローザの方が値段的には多少安い。

洗う必要もないので時短に繋がるし、何より清潔感があっていい。濡らして絞るのも面倒だなと思い、使う前にスポンジに直接フィックスミストを2・3度かけるようにした。こうするとますます手軽だし、ついでにフィックスミストをかける手間も減らせる。

エチュードハウス(ETUDE HOUSE) フィックス&フィックス ミストフィクサー

 

使用感は、正直ビューティーブレンダーに負ける。単純に厚みがないので、何も考えずにポンポン抑えることができなくなった。そのうち慣れた。

 

この経緯、どこかで見たことがあるぞ…と思ったら、これと全く同じだった。 

メイク好き女子たちは、夏もスポンジを清潔に保てているのだと思うと尊敬する。私には面倒くさすぎる。ブラシも洗うのが面倒で洗い替えをたくさん買ってしまった。

ある少年の告白(2019年、アメリカ)

映画チラシ ある少年の告白 ルーカス・ヘッジズ

だいぶ前になってしまったが、グザヴィエ・ドランが出演しているとのことで見てきた。LGBTの子どもたちが矯正施設に入れられる話で、グザヴィエ・ドランは矯正施設の思想を妄信しようとして抜けられなくなっている役回り。病的な表情はハマっていたけれど、もう少し複雑な人物の方が良かったな…というのはファンの思い込みかもしれない。

グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル(字幕版)

ドラン氏近影。


YouTubeで有名になった歌手のトロイ・シヴァンの方が面白い役で、施設のやり方が欺瞞だと分かった上でやりすごそうとしている小悪魔的キャラを演じていた。金髪に染めている頃のシヴァンで、人間離れした美しさだ。この人もまた、人類の一つの姿なのだ。

ブルーム

シヴァン氏近影。

 

こういった(?)子供たちに囲まれ、主人公のジャレッドは母親に支えられながら、「矯正できることではないのではないか?」という疑問を確信に変えていく。

 

小学生みたいな感想になってしまうが、この環境下で、「LGBTは矯正できない」と確信できるのはものすごく強いなと思った。作中では、子供の心をしっかり見ている母親の支えが大きかったように描かれている。実際に「誰か信じてくれている人がいる」というのは、とても大きなことなんだと思う。流行りのワードで言うと、自己肯定感の強さみたいなものなのかもしれない。

アラジン(2019年、アメリカ)

アラジン (オリジナル・サウンドトラック / 日本語版)

娘と、保育園帰りのデートで見てきた。娘初の4DX。色々と予告なしで連れて行ったので、終始目がキラキラしていてたまらんかった。問題は保育園帰りだとご飯を食べながら見ざるを得ず、4DXとご飯の組み合わせが非常に悪いということだ。ポップコーンが跳ねたのも一度や二度ではない。まぁいいか。4DXの説明動画でもポップコーンが跳ねているし。

 

話はいわゆるアラジンなのだけど、ランプの魔人が青いウィル・スミスであることを除けば、「姫」がポリコレにかなり注意した人物像に変わっているところが一番の特徴だった。アラジンの主役はもちろんアラジンなのだけど、途中から姫の方が目立ってきて、最後は姫の戴冠式と結婚式が続けて表現される。

 

個人的にはこれが微妙だった。

例えばアナ雪の場合、元々女王とその妹だから「強い女性像」に違和感がなく、氷売りの男は氷売りのまま姉妹と仲良くしているだけだった。しかしこのアラジンは、盗人から姫の結婚相手に変わったものの、彼自身のビジョンは曖昧だ。しかも、彼は一応主役。旧アラジンは何となく立身出世的な話になっているのだけれど、新アラジンは主役の気持ちが宙ぶらりんのままなので私はすっきりしなかった。結婚した後どういう人生を送るのか想像がつかない。

 

このアラジンは純粋に姫を好きになるだけの男で、他の意思は特にないというのがポイントになっていると思う。原話のアラジンだと、貧しい母を楽にさせたいとか、今は盗人だけど一山当てたいなどといった背景があった。それをバッサリ無くして、姫の心を手に入れたいという気持ちだけが残っている。これは男性側から見たら逆にポリコレ的にどうなんだろう。

A Whole New Worldを歌う有名なシーンも、「上から見た人々の生活はなんてキレイなんだろう」と、なんだかピントが外れている。冒頭では「貧しい人たちの中でドブネズミのように暮らしている自分」を歌っていたが、その後の彼の人生でその葛藤がどうなったのか、うやむやにしている印象だった。

 

まぁそれはそれとして、娘は初めて見るウィル・スミスが青い!なんという貴重な体験をしていたし(ジーニーのことが大変気に入ったようだった)、どことなくマスクのようなジーニーのドタバタ劇は見ていて楽しかったし、アクションに全振りしたアラジンの甘々な顔立ちも気に入ったし、空飛ぶ絨毯は可愛すぎるしで非常に楽しめた。

ワイルドライフ(2019年、アメリカ)

※ポールデイノではなくダノなのでは?と指摘されました 日本語訳はダノの方が正しいらしいので訂正します。が、面倒なので本文はこのままです…すんません

 

俳優ポール・デイノの初監督作品ということで見てきた。ポール・デイノはリトルミスサンシャインも好きだったし、最近だとスイス・アーミーマンで死体とお友達になる変人を好演している。パートナーはビッグ・シックのゾーイ・カザンで、「ワイルドライフ」はゾーイ・カザンもプロデューサー兼脚本家として参加しているようだ。

この二人のセンスは信頼しているし、ジェイク・ギレンホールにキャリー・マリガンと名優が参加しているのでいい作品なんだろうなと思ったが、実際いい映画だった。個人的にはもっとシュールでおかしみのあるものを期待していたんだけど、割とド直球にシリアスな映画だったのはちょっと残念だった。いや、残念というか、予想と違って真面目モードで、ふざけてたら窘められた子供のような気持ちになってしまっただけ。

 

父母に子ひとりの貧しい3人の家族が主人公で、この子供がポール・デイノにそっくり!でも、面白い感じの子では全くなく、ただただ真面目ないい子なんである。この彼が、プライドばかり高くて仕事がうまくいかない父親(ジェイク・ギレンホール)や、夫に愛想を尽かし浮気に走る母親(キャリー・マリガン)をじ~っと見る。この思慮深いタレ目から観察される、ひとつの家族の崩壊がこの映画の主題なのである。

普通の家族ならば思春期の子供こそ「自分」がぶれて荒れたりするものなのだが、この家族では両親が自分探しを始めてブレブレになっていく。永遠に続くと思っていた「安定した家族」は、実は回り続けるコマのようなもので、軸がぶれると途端に崩壊するものだった。

 

デイノのインタビューでもたびたび出てくるのだけど、両親もただの人間だという、誰にでも起こる思春期の気づきを描いている。自分自身、小学校高学年くらいか、突然両親がつまらない人たちに見えた時期があった。野生動物だと、その時期に群れを出て行ってしまうのだろう。それはまさしく題名にもなっている「ワイルドライフ=野生動物」で、人間も動物なのだということに他ならない。

「ワイルドライフ」という言い方は、作中1度だけ出てくる。浮気が判明し、激怒する父親が言う「なんて女だ」のように訳されていた部分。火を見て居ても立ってもいられなくなった父親の方こそが、先に己の野生性を表明していたのだけど…。

 

キャリー・マリガン、私と同年代なのだけど、一回りも上に見える疲れ切った中年女を演じきっていた。ここまで醜く撮らなくてもいいのに…というくらい。非常に痛々しい。ジェイク・ギレンホールもいつもの狂気をはらんだ危ない人を好演していた。むっちゃ怖い。けっこう目立っていたのが、母の浮気相手のミラー。小ずるいおじさんなのだけど、老練でどこか魅力のある人物だった。そのせいで、のちに父親が怒り狂って行動を起こした後に、なんとなく言いくるめられてしょんぼりと戻ってくるシーンにも説得力が出ていた。映画の中では、野生動物と最も遠い人物かもしれない。