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OJTはリモートでできるのかという話

リモートワークは人による向き不向きがあると思うんだけど、業務による向き不向きもある。
その一つに、「新人研修」があると思う。

リモートでの新人研修の難しいところは、ひとつながりの仕事の全体像がつかみにくいところ。企画書を書いてもらう、とか、それをプレゼンしてフィードバックをもらう、とかはできるんだけど、その業務のその一端しか見ることができない。
クライアントに会ってみれば、担当者との雑談を通してや、他の部署のクライアントと話すことで、仕事の全体像が見えてきたりするし、社内で他の部署の人と話すことでも分かることがある。

仕事の全体像が抽象的にしか分からないので、振ってきた仕事をこなすだけになってしまいがちだし、ひとつの仕事を他の仕事と関連付けることが難しいんだと思う。新聞を読まずに欲しいニュースだけスマホで見るのに似ている。

自分自身を振り返ってみても、今現在やれている仕事は、今までの色んな人やモノの情報の集積の上でできているところが大いにあり、全くの新規の仕事とか、それほど深く知らないままリモートになってしまった案件はけっこう苦労している。苦労、というか、深く関わっていくのが難しく、表層的にこなしているような感じ。うまくいけば何の問題もないんだが、うまくいっていないとすればその理由はこちらの理解不足だったり、あちらの信頼不足にある。

プレゼンをさせてもらうのも苦労していて、今までだとフォローしながら新人にプレゼンさせてもらえていたところが、そうはいかなくなっている。これはけっこう致命的で、プレゼンは場数を踏んだほうが良いので、それができないとなると上達が遅れてしまう。

新人さん側がどう感じているかというと、意外と普通で、スタートからリモートなので何も不自由はないそうだ。私が勝手に焦っているだけのようなので、これはこれでニューノーマルってやつなのか…と思ってみたり。私が担当しているのはとても優秀な新人さんなので、なんだかもったいないような気もする。

先日は久しぶりに出社してのOJTだったので、仕事は置いといて、一緒に社内のあいさつ回りをしてみた。何度かテレビ会議で一緒になっている人でも、直接会ってみると、一緒にやっている案件ではなく、プライベートな雑談が始まる。「いつもありがとう」など、今まで一度もテレビ会議で言われていないセリフが出てくる。
これが何かの役にたっているのかは分からないんだけど、このあいさつ回りの後に、さっそく新人さんに直接仕事の相談が来たそうだ。やっぱり会ったことのない人に仕事を頼むのは難しいよな…と、当たり前のことを実感。