読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる
MENU

建築家に住宅を依頼するとはどういうことか?

 

建築家に住宅を依頼したい場合、「建築家 頼む/依頼」などと検索すれば色々出てくると思うので、それを上からどんどん見ていくと分かることもあります。また、「建築家と建てる住宅」等の本もそれなりに出ていると思うので、本屋さんの住宅・インテリアコーナーなどを見てみてもいいかも。

 

ここでは、独立したアトリエ建築家に頼むとどうなるか、どうやってアプローチするかなどについて私なりに書こうと思います。工務店は除きます。

 

建築家とハウスメーカーの違い

外食で例えるなら、「ハウスメーカーで家を建てる=AコースBコースと別れている中から、前菜やメインを選んで頼むこと」「建築家と家を建てる=メニューがなく、『さて、どんなものが食べたいですか?』とシェフに聞かれること」に近いかな、と思います。

 

ハウスメーカーは、基本的には決まったメニューの中から自分が好きな方を選択していくやり方です。高級なレストランもあればマクドナルドもあろうし、メニューが公開されているので、それが高級レストランなのかファミレスなのか、外から見ても分かりやすくなっています。実績も口コミレビューもたくさんあります。建売であればますます安心かもしれません。こちら側はあまり考えなくとも、それなりのものを手に入れられると思います。また、環境負荷対策などハウスメーカーが独自に持っている技術やノウハウもあります。

 

その代り、ちょっと共通仕様から外れると、オプション料金が嵩みます。土地の性格(日当たり、風向き)に対応すること、壁を一枚なくすことだけでコストがかかる場合もあります。昔設計したものをそのまま使う分には安くできますよ、という話です。お代の中には広告費も事務スタッフの人件費が入っています。(マンションなどにも一軒当たりいくら、とびっくりするほど広告費がかかっています^^;)見積もりに関しては、基本的に増えていくと思って少な目の予算を伝えた方が良いかもしれません。結婚式のプランニングにも似ていると思います。

 

一方で建築家ですが、いきなり「シェフが出てきて」という表現でギョッとされたかもしれません。でも、ある程度型が決まっているようなフルオーダースーツとかとも違うししなあ。本当に「何でもアリ」になります。「本当の」予算と、ライフスタイルと、どうしても譲れない要素や使いたい家具・設備を伝えて、建築家と対話しながら進みます。予算は正直に伝えて、それをオーバーしないことを条件に入れれば、最初からそれで設計します。税込/税抜、お金の払い方も明らかにしてください。銀行にお金を借りに行かねばならないので、ハウスメーカーとは勝手が違います。分からないことは建築家に相談しても良いと思います。

 

建築家に頼むと選択肢がぐっと増える

そもそもなんで一人でやっているのか?という事を考えると、自ずと分かってくるかもしれません。ハウスメーカーなどに雇われている方が給料は安定していますし、リソースもあるのでラクなはず。しかし、これではコスト重視と分かりやすい特徴の打ちだし(エコ特化やオール木造など)による素材や構造の固定化から逃れられませんから、自分らしく仕事するために一人でやっているわけです。腕が確かなら、雇われよりも年収も高くなりますし。それでも潤沢に稼げるのは一握りの人間と言えます。

 

建築家も人だもの、色々いるよ

あらゆるジャンルの、熟練度も様々な建築家がいるので一概にこうだとは言えません。ベテランだけど、自分には合わない人。若いけれど才能も腕も一流の人。同じ材料を使っても、派手にきれいに表現する人もいれば、滋味深く地味に仕上げる人もいるでしょう。作風、使うのが上手な食材、特定の料理法の熟練度など、それこそ千差万別です。好みの問題が大きいところです。

シェフと違う点は、「本人のネットワークが大事」という点でしょうか。本人に技術的な実績が蓄積していなくても、良い工務店、設備屋、あるいはベテランの建築家にネットワークがあればあまり関係がありません。

もう一つは、何度も打ち合わせしながら進めないといけないので、ウマが合うかどうかも重要だという点です。センスが合うかどうかも然り。「なんか違う」と思ったら、躊躇せず早めに変えることです。打ち合わせにもプランニングにも、時間とお金がかかります。打ち合わせが進んでからのキャンセルは、一人で切り盛りしている建築家にとっては大きな負担なのです。

 

建築家に頼むのが向いている場合

専門知識は全く必要ありません。特に下記のような場合は、建築家を検討した方がいいでしょう。

①ハウスメーカーの住宅ではモノとして満足できない人

  • デザインに詳しい、好き
  • 買うならデザイナーものの家具、家電
  • インテリア雑誌や建築雑誌などをよく読む
  • どうしても使いたいお風呂やシンク、窓のサッシやタイルなどがある、テイストがある
  • 建築家と対話しながら家をつくりあげていくことを厭わない

 

②ハウスメーカーでは対応できない物件になりそう

  • 土地が普通ではない(住宅地ではない、狭小、逆に広大、斜面、旗竿敷地、日当たりや風通しが極端に良い・悪い など)
  • 住まい方が普通ではない(事務所兼、賃貸スペースあり、3世帯以上、車を家の中で展示したい、裏導線が必須 など)

 

建築家に頼むのが向いていない場合

上記の「向いている理由」の逆というわけではありません。デザインに興味なし、普通の土地、普通の家族住まいでも建築家という選択肢はアリです。ただ、

  • とにかく「早い・安い」を重視している

この場合は向いていないかもしれません。「安い」だけなら場合によってはOKかもしれませんが、「早い」のは難しいかも。建売や、廉価のハウスメーカーの方がお勧めかもしれません。

 

でもお高いんでしょ?

一概に言えないので、安いの高いのは言いたくないのですが…「建築家に頼んだから高くなった」というのは間違いという事だけお伝えしたい。基本的に設計料は総工費の何%ということで建築家の方で定めています。大体10%くらいを目安に、総工費が高くなれば低くなっていきますし、そもそも建築家によって8%~20%くらいまで開きがあるのではないでしょうか。別に失礼に当たらないので気になったらすぐ聞いてください。他の料金は単なる原価のようなものですので、コストを下げたいなら個別の仕様を変える相談になります。ただ、これらは建築家が使っている工務店や構造家、設備屋が出した単価でもあります。どの業者使うかは建築家の裁量によるので、ここでも前述の「ネットワークが大事」という話になります。私自身は「ネットワークの無い建築家」というものに会ったことがないので、何とも言えません。

 

ハウスメーカーでは「設計料」という項目はない場合がほとんどだと思います。冒頭申し上げたように、諸々の経費が「まぶされている」と思って頂ければよいです。「このタイプを○○円で売り出して、年間○○軒売り上げる」という世界なので、個別オリジナル注文の建築家とは見積もりは全く違うとだけお伝えします。

 

建築家へのアプローチ方法

打ち合わせは長期間にわたりますし、現場も見てもらわないといけないので、基本的には敷地の近くに住んでいる建築家を探したほうがいいと思います。下記に考えられるアプローチ方法を書いてみました。

①書籍

お勧めの雑誌は「住宅特集」。大型の書店などで扱っています。どちらかというと専門誌なので、一般向けと業界向けの言説は結構違うことに気づくかもしれません。比較的どこでも置いている「CASA」では定期的に建築家を紹介した住宅特集を組んでいます。また、エリアごとに「建築家と家を建てる」をテーマにした本を出されていることもあります。末尾に連絡先が書いてあるので、そこからでも、公式HPからでも直接連絡してみましょう。他にも色々とあると思います。とりあえず専門コーナーへGO!

②インターネット

「建築家紹介サイト」で検索すると、そのような仲介サービスがたくさん出てきます。地元の建築家を探すには最適かもしれません。仕事が欲しい建築家の登録によって成り立っていたりするので、紹介料はいらないところもあります。

③人づて

なんだかんだで一番有力かも?身の回りで建築家に頼んだ人、個人的に親しい人などにヒアリングしてみる方法。結果的に工務店で建てた人でも、建築家を検討した可能性もありますね。そこから建築家同士のつてで、他の建築家にも巡り会えるかもしれません。実際に建てた家に行ってみるのもいいですね!

 

とにかく巨匠建築家に頼みたい!という場合、個人的なつながりがないと個人住宅は頼めない場合があります。住宅は手間がかかる割に儲からないのです(小声)

 

 

以上、「建築家に住宅を頼んだらどうなるか」についてまとめてみました。本当は意匠的な良さについて書こうと思ったのですが、「そもそもそれって一概に言えないよね」の嵐になってしまったので、それ以外の部分でまとめました^^;

 

不定期で建築家が建てた住宅をまとめています。よければこちらもご覧ください。「こういうのに住みたい!」と思ったら、建築家も選択肢に入れてみてはいかがでしょう?


記事一覧 - poco blog

 

ようやくツイッター始めました。