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キングコング 髑髏島の巨神(アメリカ、2017年)

キングコング 髑髏島の巨神 (竹書房文庫) 

32歳の、まだ有名な作品のない映画監督が撮っているということで見てみました。最初から最後まで見所が詰め込まれていたのですが、「地理的に今どこにいるのか」とか、「それぞれの思惑」みたいな構造が分かりやすく整理されていて、迷子になることなく楽しめました。これをまとめ上げるのは大変だろうから、力量のある監督なんだろうな~とボンヤリ思ったり。秀才だ。

 

ヴォート=ロバーツ監督は日本のアニメや漫画が大好きらしく、かなりのオタクみたい。ということで本作も日本のマンガ・アニメ・特撮などの影響が色濃いようです。大いに日本向けサービストークもあるだろうけど、この日本向けプレゼンテーションが面白かった!なんでも、ゴジラと対抗するトカゲ状の生物はカオナシやサキエルをイメージしていて、巨大クモは六本木ヒルズの彫刻をイメージしているとか。↓

「キングコング」監督が樋口真嗣とオタトーク、宮崎駿やエヴァの影響も - 映画ナタリー

 

もう一つ気になっていた点が、制作がレジェンダリーピクチャーズということ。中国資本になったんですよね。ただ、思ったより中国色はありませんでした。むしろ冒頭シーンは日本人とアメリカ人からスタート。ギタリストのMIYAVIさんが刀を持って暴れます。しかも、名前は「グンペイ・イカリ」。コテコテか!テーマが「ベトナム戦争と怪獣」なので、まあそうなるんですが。中国キャストとしては、申し訳程度に研究者の美人さんがいるのですが、最後まで活躍の場はありませんでした。同時期にグレートウォールがあるし、こっちはいいのかー。今後、映画には中国色が深まっていくだろうと思うので、どんな変化があるのか気になります。

この作品とは関係ないのですが、反中国発言があったリチャードギアさんはハリウッド追放状態だそうで…大変な時代です。エンタメ産業って政治と結びつきが深いですよね。

リチャード・ギア、反中国発言でハリウッド追放 - シネマトゥデイ

 

コング氏は登場シーンはさすがの迫力でしたが、物語が進むにつれ、賢くて優しく、けっこうマメなキャラクターに。神というよりはお母さんと言っていいくらい、包容力と行動力のある存在です。島のどこかで爆撃があったりすると、「んもー!」という感じでキッとにらんで急行するところが素敵でした。

対するトカゲは、カオナシやサキエルをイメージしているだけあって何を考えているか分からない武闘派なのですが、体を張った自爆テロをすぐに見破ってポイッと捨てるシーンでは「意外と賢い…?」と思わせるなど一筋縄ではいきません。このシーンは、終わってみれば1・2を争うショッキングなシーンだったかも。

 

サミュエル・L・ジャクソンが本作の「狂人」なんですが、登場人物がみんな割と合理的な動きをするせいか、あまり狂気度を感じなかったですね。ジュラシックワールドのような「全員意味不明で行き当たりばったり」みたいなことには全くならないです。監督のキャラクターなのかも。一番ヤバいのは、この島に全員連れ込んだ研究者・ランダですかね。彼は退場の仕方もコミカルな感じでした。

 

カメラマンを演じるブリー・ラーソンがヒロインになるのですが、彼女とキングコングのエピソードは割とアッサリ。むしろ、定番の「強いヒロイン像」の他、カメラマンとして髑髏島の原住民や自然を切り取る姿がリアルで印象的でした。トム・ヒドルストンとも何も起こらないあたりがイマドキな感じ。いずれにせよ魅力的な人物造形でした。

トム・ヒドルストン演じる傭兵は、他の兵士や研究者に比べると背景もなく突然出てくるのであまり興味が持てなかったです。ナゾめいた雰囲気があるわけでもないしなー。

兵士たちなど脇役は一人一人キャラクターが立っていて、それぞれに魅力的。人物造形が丁寧だなと思いました。だから、死んでいくときに本当に悲しかったり、絶望したり。こういうのって大事ですね。

 

このキングコングは3部作になるそうですが、エンドロールが終わった後にモスラやそのほかのゴジラに出てくる怪獣が意味深に紹介されていました。次回作は、これら対キングコングなんでしょうね~。

そういえば、このシーンに件の中国人研究者さんが出てくるので、次回も出演するのかな。次回はもっと爆弾を仕掛けたり怪獣を倒したりして活躍してほしいです(何)