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グリンチ(2018年、アメリカ)

グリンチ (小学館ジュニア文庫)

3連休、娘と見に行ってきました。イルミネーション・エンターテイメント制作で、ディズニーと違って話がシンプルでとにかくエンタメに徹している感じ。ポリコレ的にどうとか、一緒に見に来ている親向けの対策とかをあんまり感じないので、個人的には肩肘張らずに見れてこれはこれでいいかなと思います。代表作はミニオンでしょうか。特に音楽の演出が楽しさと驚きに満ちていて、小さい子供でもハマります。

 

面白かったです。とてもかわいくて魅力的な「フーの村」に住む「グリンチ」というひねくれものが、大嫌いなクリスマスを克服してみんなと仲良くなるというもの。話は本当にシンプルなんですが、ちょっとだけ出てくるキャラクターも含めみんな魅力的に描かれており人間関係がつかみやすいし、イマジナリーな村の様子やグリンチの要塞も良くできていて、たびたび出てくる飛行シーンやスキーシーンも楽しいし、キャラクターの毛の表現が可愛らしく、まぁよくできていました。ツヤツヤの毛先と、淡~い毛の生えた柔らかそうな皮膚の表現などが素晴らしくてね…。おもちゃ箱をひっくり返したようなキラキラした村の感じも素敵。すべてを抱きしめたいくらい可愛かったですよ。

 

話のキモはグリンチの孤独なんですが、それが氷解するきっかけが「クリスマスを盗んだのに普通に楽しそうにしている村人たち(とシンディルー)なのはあまりよく分からなかったです。そこが一番の感動のしどころになっていたので、乗れなかったのは本当に残念。私が何か見落としていたのかも。

最後のクリスマス会のシーンで、「グリンチは自分で自分を孤独だと思っていたが、本当が村人みんなから気にかけてもらっていた、愛されていた」ということなのかな?と思ったんだけど、それならなぜ孤児の時に放っておかれていたのかは不明(やっぱり可哀そうじゃん!)。そもそも、「クリスマスはみんなの心の中にある=要は気の持ちよう!」みたいな気づきで自分は孤独じゃないと一気に理解するかなー?理解力高すぎでは?と腑に落ちなかった次第です。

 

また、どうやらシングルマザーのシンディルーの母親がグリンチのDIYによって助けられる描写が本来あったようなのですが、私が見た日本語版にはそれがカットされており、すごく残念でした。これがないとグリンチとシンディルーがつながった意味がないのに…。まぁ良いんだけど。

 

というわけで、演出や世界観は気に入ったのですが、お話としてはまぁまぁでした。

娘もそれを感じ取ったのかどうか分からないけれど、シュガーラッシュオンラインの方が断然面白かった!と言っていました。「どの辺が良かったの?」と聞くと言葉を詰まらせてしまうので、うまく聞き出す方法はないかと思っているところです。私が「ママはこういうところが良かった」と言ってしまうとそれが娘の意見になってしまうので、それは避けたい。口達者だけど、まだまだ言語化は難しい5歳児なのでした~。

 

ちなみにグリンチは、ドクター・フーというアメリカでは誰でも読んでいる幼児書のキャラクターです。色んなキャラがいますが、だいたいはうっすらと毛が生えており、ナスのような造形で、韻を踏んだ独特の喋り方をしていてあまり見分けがつきません。英語絵本を読み聞かせるときにはテッパンのシリーズではないでしょうか。

 

蛇足ですが、娘と見に行くときは、カップルシートか最後列のゆったりしたシートに座ることが多いです。ひょっとすると寝始めるかもしれないので。数百円の違いでかなり快適です。飛行機のファーストクラスは普通席とすごい違いですが、こちらはあまり変わりません。


アマゾンでグリンチを検索したらこんな怖いものが出てきた…

2018年度版はリメイクだったんですね。 

グリンチ (吹替版)

グリンチ (吹替版)