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アリ―/スター誕生(2018年、アメリカ)

【早期購入特典あり】アリー/スター誕生 サウンドトラック(オリジナル・クリアファイル付)

「ボヘミアン・ラプソディ」と同じ時間帯にあっていて、どちらを見るか相当悩んだのですが、こちらの方が人気無さそうだったので公開終了を恐れてこちらにしました。結果的には正解だったかも。

 

これは過去何回も作られている演歌みたいなストーリーらしいです。過去作は一つも見たことがありませんが、売れない女優を落ち目の人気男優が引き上げて、最終的には女優がスターになり、男優の方は自殺するという流れは変わらないみたいです。

今回は主演がレディ・ガガなので、売れない歌手と、単独でコンサート会場を埋められるくらいのベテラン男性歌手という組み合わせでした。

 

この歌手をブラッドリー・クーパーが演じているのですが、主演はむしろこちらなのでは?というくらいブラッドリー目線の進行になっています。自分が監督しているからというのもあるかもしれないのですが、この作品でのブラッドリー・クーパーはかなり魅力的でした。「これはグレるだろ…」というようなどうしようもない過去と、難聴と、新しい音楽への違和感と…と生きづらさのオンパレードの中で、薬と酒に依存して死にそうになりながら歌っている姿がわずか10~100㎝くらいの超近距離で切り取られます。

そこに彗星みたいにレディ・ガガが降ってくるので、めちゃくちゃ眩しい。この映画に出てくるブラッドリー・クーパーは、逆光だったりして基本的に眩しそうな顔をしています。

 

一方でレディ・ガガの人物像はちょっとフワフワしているというか、よく分からない人物という印象を受けました。元々のソウルフルな弾き語りから変わって、ポップな歌とダンスをつけられる(しかもダンスが下手という設定)のを受け入れてみたり、それを否定されて切れたり、最後は最初に戻ったように元の髪色に戻して歌い上げたり…と、ポップを否定したいのか、周りに合わせてコロコロ変わる人物像なのか分からない感じでした。夫に対しても、愛情は感じるけれどどうしていいかわからない、最後は正直負担に思っている(でも明言はしない)、というような印象を受けました。

こういう可変的な態度というのが、周りを吸収しながらのし上がっていく女性像「スター誕生」なのかなー。分からん。

 

いずれにせよ、映画序盤のワクワク感はとても良かったし、最後の別れのシーンは感動的。何より、奇行が先にイメージされるレディ・ガガ驚くべき歌唱力や、今回のために書き下ろしたというオリジナルの曲の数々等、純粋に音楽映画としても非常に楽しめました。ブラッドリー・クーパーも相当頑張ったらしいです。最初のシーンはブラッドリー・クーパーのライブなのですが、普通に歌手が出てきたのかと思いましたよ。

 

他のスター誕生も面白いみたいなので、ぜひ見てみたいなと思いました。